毎年4月頃、京都で親戚が集まるイベントがあります。
とある年、折角京都まで行くのだからなにか美味しい物を食べて帰りたいなと考えて目を付けたのが『京のおばんざい』でした。
おばんざいは漢字で書くとお番菜、お晩菜、お万菜などを充てるのですが、お番菜が自分は一番しっくりくるかな。
「番茶」、「番傘」と同じでこの番という字は「いつもの」とか「常備している」という意味があります。
つまり普段着のお菜という意味ですね。
お晩菜は普段出される夕飯というほどの意味。
お万菜はよろずという意味合いから家庭料理全般を指すといったほどの意味でしょうか。
ですので、本来高価な食材を使った料理はおばんざいから外されて、あくまでもありきたりで安価な食材を使った料理を指す言葉だったはずなのです。
ところが、今どき祇園あたりで『京のおばんざい』を食べようと思えば3000円~5000円が当たり前、どこが普段着のお惣菜料理やねん!! と言いたくなるような事態になっております。
いつの間にやら、上質の京野菜をふんだんに使った高級料理という風に言葉の定義が変わったみたいですね。
しかも、どのお店も予約なしでは入れない盛況ぶり。世の中ホントに不景気なのかなぁ^^;
で、そういった事情を知らずに予約なしで行っておばんざいを食べ損ねたので京都から帰ってから、いろいろとおばんざいリベンジマッチをやったという次第。
これもその中の一品。有名店の名物料理らしいのですが、芋を唐揚げにしてしまうという発想が面白いですよね。
【材料】(2人分)
-調理時間:45分-
- 里芋:数個
- 揚げ油:適宜
- 片栗粉:適宜
[煮汁パート]
- だし汁:100cc
- 濃口醤油:18g
- 砂糖:3g
- 味醂:12g
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 里芋は皮をむいて2~3等分にします。
- [煮汁パート]のだし汁を引きます。150ccの水を小鍋に沸かし、火を弱めて煮立たせないようにしてから鰹節をドバっと加えます。そのまま蓋をせず3分ほど煮出して越せば約100ccの煮汁の出来上がり。 ※野菜の煮物に使う出汁は時間をかけて濃いめに挽くのがコツです。
- 2.に[煮汁パート]の残りを加えてひと煮立ちさせ、里芋を加えて蓋をし中火で5分煮ます。火を止めて30分ほど放置し、里芋に味を染みこませます。
- 3.の里芋をざるに揚げて水気を切り片栗粉をまぶします。180度に熱した揚げ油で3分揚げればできあがり。
【一口メモ】
- 外はさっくり中はねっとりなんとも不思議な食感です。基本は煮っ転がしと同じ味なのにまるで別の料理のように感じてしまうから不思議。
- 煮物と違って煮汁が他の料理に混ざることがないのでお弁当のおかずとしてもお薦めです。
- ネットを検索すると下茹でやレンチンして調味料に漬け込むレシピが多かったのですが、それだと里芋の温度が下がるにつれ味染みが悪くなる気がしたのでこの手順にしました。