僕の知人でこんなことを言うやつがいます。
「家で出される魚料理は骨を取るのが面倒でいやだ。お店のは骨なしなのに。うちも骨なしの魚を買えば良いのに」
どうやら彼は店で供される魚は別の骨がない種類の魚だと思い込んでいるみたいです。
あのね、あれは店の人が骨抜きで骨を取ってくれているんですよ──と言ってやりたいけど、なんだかおもしろくてそのままそっとしています(をい)。
ま、中には切り身の形の魚が海で泳いでいるなんて信じている人がいるなんてまことしやかな話も聞きますし(さすがにウソっぽいよなぁ)、僕らは食材の生産現場についてあまりにも無知だよなぁとは思います。
だからか、形がいびつだったり色がちょっと変な野菜は「規格外」と呼ばれて市場に出荷されないのだとか。
買いに来た客が見た目を気にして敬遠するらしい。
ちなみに規格外で廃棄される野菜は生産量の3割にも上るのだそうな。
味も香りも変わらないのにもったいない限りです。
もちろん売れなかった野菜は廃棄されるだけでなく農家の身内で食卓に上らせることもあるみたいです。
福島の郷土料理「味噌かんぷら」もそんな規格外野菜から生まれた名物料理。
かんぷらは福島の方言でじゃがいものことだそうな。
一説によるとオランダ語でジャガイモを指す言葉「aardappel(アーダアップル)」が訛ってかんぷらになったとか……
って無理があり過ぎね?
アーダアップルが縮まって「あっぷら」。更に訛って「かんぷら」…………
やっぱり苦しいw
とまれ、食糧事情が良くなかった時代、福島では米の代わりに特産品のじゃがいもが主食としてよく食べられたそうです。
特に7月から始まる出荷時期、サイズが500円玉大くらいの小さいやつは商品としては売れないのでそのまま農家で食べられていたらしい。
この料理はおかずにもなりますが甘辛な味付けは格好のおやつとして人気のあった皿だそうです。
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- じゃがいも(小):2個
- 揚げ油:適宜
[調味料パート]
- 味噌:12g(小匙2)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- 砂糖:5g(大匙1/2強)
【作り方】
- じゃがいもは皮付きのまま使います。じゃがいもを茹でるお湯(分量外)を小鍋に沸かします。待っている間にじゃがいもの皮に付いた土をきれいに洗い落とします。湯が沸いたらじゃがいもは丸ごと投入して5分茹でます。揚げ油を170度に温めておきます。
- 茹でたじゃがいもは皮付きのまま1cmの賽の目に切ります。油が温まったらじゃがいもを投入して2分素揚げにします。並行してフライパンに[調味料パート]を合わせて弱火にかけ味噌を溶かしておきます。
- 揚がったじゃがいもをそのまま2.のフライパンに投入し3分ほどかけて弱火で煎り付ければできあがり。
【一口メモ】
- 甘辛い味がやみつきになる味。市販のスナック菓子よりヘルシーだしこれは良いおやつになるんじゃないかな。日持ちもするので多めに作って冷蔵庫に入れておけば3時が楽しみになりますよ。
- 揚げ物はちょっと面倒という方は2.の工程をサラダ油で炒める手順に替えてもOK。カロリー的にはその方が低めになります。
- 3.の工程で仕上げに火を止めてから刻んだ青じそを加えると清涼感が加わって夏らしい1品になります。