職場の後輩に肉しか食べない偏食家がおりました。
「だって、それ草じゃないですか」
野菜を指してそんなことを言う姿はまるで駄々っ子。
ま、普通なら我儘いっぱいのめんどくさいやつと敬遠するところなのですが、いろいろポンコツで憎めないところがあったので周囲からはなんやかや可愛がられていた気がします。
大人になってもそんなことを言う人はちょっと極端な気がしますが青菜のお惣菜が大好きという子供も珍しい気がします。
かくいう僕もそうでした。
だって草だもん。
食感ももぞもぞしているし、味も青臭いだけ。
味付けと言えば醤油をかけるくらいでなんか地味。
華やかなドレッシングで多彩な風味が楽しめる洋食のサラダに比べてなんかダサい──なんて思っても仕方がないよなぁ。
イマドキのドレッシングは和風のものも多数出ていますので胡麻ドレッシングとかかければ青菜のお惣菜も断然美味しくなった気がするのですが、僕が子供だった昭和四十年代にそんな洒落たものはありませんでした。
けど、この小鉢みたいに味付けすればあるいはもっと青菜の小鉢が好きになっていたんじゃないかな。
なんて思ったりすることがあるのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:8分-
- 小松菜:半束
- 梅干し:1粒
- 蕎麦の返しまたはめんつゆ:小匙2
- 味醂:9g(大匙1/2)
【作り方】
- 小松菜を茹でる湯(分量外)を沸かします。待っている間に茎と葉に切り分けそれぞれざく切りにします。湯が沸いたら茎を投入し3分茹でます。ラスト1分になったら葉も加えて茹でます。
- 1.が茹で上がったらざるで湯を切り流水にあてて粗熱を取った上で氷水に放って急冷します。これをざるに揚げてぎゅっと握り水気を絞ります。
- 1.~2.をやっている間に梅干しから果肉を削いで細かく叩きます。味醂は耐熱皿に入れて電子レンジの200ワットで30秒チンしてアルコールを飛ばしておきます。
- 全ての材料を合わせてよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- ほんのり甘酸っぱい風味をまとった青菜は華やかで凛とした小鉢料理に大変身します。これなら子供たちにもウケるんじゃないかな。
- お好みで鰹節をまぶしたり炒り胡麻を振ると風味が増します。焼き海苔をトッピングするなんてのもありです。
- 副菜向けの1品ですが主菜は肉料理よりも魚の焼き物などが合います。今夜はお魚──という日にはちょっと思い出してください。