鶏の唐揚げマヨ丼

鶏の唐揚げマヨ丼

2023-10-24

全国丼連盟は「丼」を、「半球型の器にご飯を盛り、その上に食材を乗せる料理」と定義しています──なんて記事をネットで見かけました。

つか、全国丼連盟なんて組織があるんだ。

いや、ありそうな気はしますが普段は何をしている団体なんだろう？？

そっちの方が興味あるな。

とまれ、丼料理とはどんぶりと呼ばれる器にご飯を盛ってその上におかずなどを載せた食べ物だということは周知の事実です。

周知されている──ということはそれだけ多くの人に食べられているということなわけですが実際、丼物はランチタイムの超定番。

僕もずいぶんお世話になりました。

牛丼屋、天丼屋、海鮮丼屋(ってこの音だと「廻船問屋」って聞こえるなｗ)をはじめとした丼物屋はまさにジャパニーズ・ファストフード。

ハンバーガーショップ、カレースタンド、ラーメン屋と並ぶ「早い旨い安い」を体現している店と言えます。

で、人気が出ればそれだけお店が増える。

すると過当競争が起きる。

ならば生き残りをかけた商品開発が活発になる。

そして……

客である僕らは年中目新しい丼物を楽しむことができるという幸福な循環が生まれるのです(店にとっては大変そうだけど)。

過日、とあるランチタイム。

鶏もも肉が半枚残っている。

いつも通りの親子丼でも作るかなと考えていたのですがふと心の中の僕が自分の袖を引きました。

本当にそれで良いのか？お前の今日の昼食はそんなありきたりな丼料理で満足なのか？

……、いや改めてそう問われるとなんか目新しいものを食べたくなるのが人情です。

そういえば今日は鶏のから揚げが食べたい気分だった。

ならばご飯に鶏のから揚げを載っけて「唐揚げ丼」といくか？

いや、それではあまりにも芸がない。

まるでどんぶり鉢にご飯をよそっておかずをひょいひょいって皿から移しただけの丼料理と呼ぶのもおこがましい代物ではないか。

何かもう一歩、発想を先に進めて……

チキン南蛮風に唐揚げにタレをかけるのはどうだろう。

うーん、更にもう一歩……

いっそ唐揚げにタレを絡めながら煮詰めるのはいかがかな。

あともう一歩……

なんて考えあぐねているうちにできたのがこの丼です。

なんか、どこぞの丼物屋の新メニューっぽい料理になっちゃった。

ヴィジュアル的にもけっこう食欲をそそります。

このランチ、けっこう気に入ったので忘れないようにレシピをメモしておきます。

【材料】(1人分)　

－調理時間：１５分－

[タレパート]

揚げ油を１８０度に温めます。待っている間に鶏肉を一口大より少し大きめに切り塩、ブラックペッパーをまぶします。更に片栗粉をまぶして余分な粉をはたきます。　※鶏肉は揚げると縮むので少し大きめに切るのがごろごろ感を出すコツです。
揚げ油が温まったら鶏肉を投入します。「１０秒揚げたらかす揚げで引き上げて１０秒空気に晒し再び揚げ油に戻す」を３分間繰り返したら油切りに移してしっかり油を切ります。
千里切りキャベツを作ります。キャベツを水に１分～1分半浸けてしっかり水切りをします。キャベツの側面を包丁でそぐようにして糸切りキャベツを作ります。　※キャベツは切る前に１～１分半水に浸けるとアクが抜けてえぐみが抑えられます。但し、それ以上浸けるとキャベツの栄養分まで水に抜けてしまうので早々に引き上げて水切りしましょう。
フライパンに[タレパート]を合わせて中火にかけます。ふつふつと煮立ってきたら唐揚げを加えてタレを絡ませながら水気がほぼなくなるまで炒めます。
丼にごはんをよそいます。その上に千切りキャベツをまんべんなく敷いて唐揚げをトッピングします。上からマヨネーズをしぼり、刻み葱を散らせばできあがり。

ボキャブラリー貧困で申し訳ありませんが……すっげぇ旨いです。ご飯と唐揚げを別々に食べるより段違いで旨いのが不思議。タレを吸った白米がまたなんとも食欲をそそります。
料理が完成して「いただきます」と言おうとしたら娘が寄って来てしげしげ丼を眺めながら「これ、ぜったい美味しいやつやん」と申しました。ということで食べるまでもなくヴィジュアル的にもなかなかイケてるらしい１品です。
照り焼き風の味付けをするレシピで醤油：酒：味醂：砂糖を１：１：１：１に混ぜる配合をよく見かけますがこの料理のように揚げ物で作る場合はそれでは甘みが勝って味がくどくなります。そういう時は更に酢を加えるのがおススメ。ほんの少し加えるだけで味がギュッと引き締まりますよ。
お好みで[タレパート]におろしにんにくを加えると風味がガッツリ系に寄ります。あと、鷹の爪を小口切りにして[タレパート]に加えるか糸きりにして仕上げにトッピングするとピリ辛味の丼に味変できます。お試しあれ。