以前、産経新聞とエースコックがコラボして『大阪ラーメン部』というのが結成されました。
「如何にも大阪らしいカップ麺を作る」という企画だったのですが、コンセプトに掲げられたのが「甘辛」と「始末」。
甘辛はわかるとして始末は地元民でないとちょっと分かりづらいかも。
「あの人は始末な人やから」といった使い方をするのですが、元々の意味は工夫を凝らして食材を無駄なく使う(捨てるところがないようにする)というニュアンスなのですが、転じて倹約家を指す言葉としても使われます。
誤解してはいけないのは、ケチという意味ではないんですね。
あくまでも、手持ちのものを上手に使うことで倹約を凝らすというポジティブな意味です。
このコンセプトに基づいて地物の堺の玉葱や具として入っているチャーシューのたれをスープに加えたりしていてなかなか美味でした。
この料理では油と相性の良い茄子と脂身のやや多い豚のひき肉をチョイスしています。
これも一種の始末と言えるかもしれません。
健康志向の昨今、脂身は嫌われがちですが豚の脂身って結構甘いんですよね。
これを茄子に吸わせることで料理全体は脂っぽくなく、そのくせ砂糖だけでは出せない深みある甘辛を実現しています。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 茄子:1本
- 豚ミンチ(赤身じゃないやつ):50g
- ごま油:4g(小匙1)
- 水溶き片栗:3g分(小匙1分)
- オイスターソース:6g(小匙1)
[薬味パート]
- 刻み葱:少々
- 刻み生姜:ひとかけ分
- 刻みにんにく:ひとかけ分
[調味料パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
- 酒:10g(小匙2)
- 味醂:12g(小匙2)
【作り方】
- 豚ミンチと[調味料パート]を合わせてよく和えておきます。
- フライパンにごま油と[薬味パート]を合わせて弱めの中火にかけて香りが立つまで炒めます。これに1.をひき肉の色が変わるまで炒めて一旦火を止めます。
- 茄子はヘタを取って1cm角の賽の目に切って2.に加え中火で茄子がしんなりするまで炒めます。 ※フライパンの中身が冷めないように手早く切ること。
- 3.に水溶き片栗を2~3回に分けて加え都度煮立たせてとろみを付ければできあがり。
【一口メモ】
- この料理のウリは甘辛の甘みの方かな。豚の脂を吸った茄子のほんのりとした甘みが楽しいです。
- 茄子はフライパンの直前で切ります。先に切ってしまうと空気にさらされたところからえぐみが出てきてしまいます。かといって、油を吸わせる料理なので水に晒して被膜を作りたくないのです。
- あと、ピーマン、人参(小さめに切ること)、しめじ、エリンギ、玉ねぎなどを加えるとボリュームアップ&栄養アップするのでお勧めです。