ここ数年、すっかり足が遠のいていますが酒が飲めるようになってからずっと僕には行きつけの店というものがありました。
酒と肴が旨くて気の置けない常連がいてなんとも居心地が良い場所。
引っ越しをする度に近所を探索し、そんな店を見つけ出しては足しげく通い、カウンターのスツールを温めたものです(けっこう長っ尻なのだ(笑))。
お店の都合は脇に置いておくとしてお客目線から見た理想の肴とは「旨くて安いこと」。
で、注文してから出てくるまでが早ければなお良し。
なんとも我儘な注文ですがそれが客の偽らざる本音です。
考えてみると馴染みにした店には店独自のそういった皿が必ずあって暖簾をくぐるととりあえず頼んでいたなぁ。
ニラと卵を炒めたにら玉。
開いたささみに大葉を敷いて明太子を塗って揚げたささみ明太子。
タラの内臓の塩辛であるチャンジャ──どれもせいぜい2、3百円の価格設定だったので呑み助の財布は大いに助かっておりました。
僕が通った店では見かけたことはないけれど、このキャベツを使った一皿もイマドキの居酒屋では定番メニューのひとつですね。
キャベツを手でちぎって皿に盛って出しただけ──一見、手抜きの極致のように見える肴でわざわざ店で金を払って食べる料理かと思っちゃいますが、そのヤミツキになる味付けはなかなか侮れません。
そして何より安い!ただひとつ難点があるとすれば作り方を知ってしまえば家でも簡単に作れること。
そう考えるとちょっと注文するのが躊躇われるかな。
ま、コロナ禍からこちら家呑みは大流行ですし、晩酌のおともに手早く作れる肴としてはとても優秀だと思うのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- キャベツ:3枚
- 鶏ガラスープの素:小匙2
- ごま油:12g(大匙1)
- 生姜スライス:1枚
- おろしにんにく:ひとかけ分
- 昆布出汁の素または昆布茶:小匙1/2
【作り方】
- キャベツは3、4等分にしてボウルに入れひたひたの水を加えて1分半浸けます。これをざるに揚げてしっかり水を切ります。生姜は千切りにします。
- できれば水切り器(遠心力で野菜の水切りをしてくれる調理器具)を使うのが理想的です。
- 器に残りの材料を器に合わせ、1.のキャベツを手でちぎって加えてよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- とにかく箸が止まりません。めっちゃヤミツキになる味でお酒が進みますよ。
- 生のキャベツを供する場合は1分~1分半ほど水に浸けてください。こうするとえぐみがぐっと抑えられます。
- 手持ちがあれば細く切った塩昆布を加えると旨味が増します。その場合は鶏ガラスープの素を少し控えてください。
- お好みで小口切りにした鷹の爪を一緒に和えてピリ辛にするのも良いですよ。