居酒屋のお通しはいらない──そんな意見をネットで見かけることがあります。
いらないと思う主な理由は頼んでもいない料理が勝手に出されて料金まで取られるなんて納得いかないということみたい。
ま、思うところは人それぞれだと思いますが僕的にはお通しは良い文化だと思っています。
そもそも飲み屋で「今、勘定いくらになってるんだっけ」と財布を気にしながら飲むということを僕はしません。
財布が寂しい時は端から暖簾をくぐらない主義です。
なのでたかだか300円前後の小鉢料理がプラスされたからといってガタガタ言うなぃと思っちゃうんですよね(お通しで何千円も取られたらさすがにびっくりしますが^^;)。
それに何の料理を注文しても出てくるまでにいくらかのヒマがかかります。
その間、つまみなしで飲む酒ほど寂しいものはないじゃないですか^^
何より、ちゃんとした店ならお通しは店主の名刺代わりです。
出汁の挽き方、火の入れ方、味の濃淡。
うちの店の料理はこういった感じですというのを端的に表しているのがお通しなのです。
「海外にはお通しの文化なんかないじゃないか」
否定派の中にはそうおっしゃる方もいらっしゃいますが似た文化はあります。
例えばフランス料理のアミューズ。
これはコースには書かれていない料理で最初に出てきて食前酒と一緒に戴くのが通例です。
「でも、レストランはアミューズで料金取らないでしょ」
という意見もありますがそれはどうでしょう。
確かに別料金は取られませんがそもそもフレンチは1コース○○円というセット料金。
その料金にアミューズの代金も含まれていると考えるべきです。
とまれ僕にとってお通しは「今から飲み始めるぞ」と気合を入れるブースターのようなもので居酒屋の暖簾をくぐる前から何が出てくるかなと楽しみにしています。
なのでおうち居酒屋をやるときもちょっとしたお通しっぽいこんな小鉢を作ったりします。
ま、自分で作るのでサプライズはあまりありませんが。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- きゅうり:1本
- 塩:少々
- 生姜:スライス1枚
- 鷹の爪:半本
[調味料パート]
- 干し貝柱スープの素(なければ鶏ガラスープの素):小匙1/2
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 酢:5g(小匙1)
- ごま油:4g(小匙1)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- 砂糖:1.5g(小匙1/2)
- 塩:ひとつまみ
- ブラックペッパー:少々
- 白ごま:小匙1
【作り方】
- まな板に塩少々を振って胡瓜を手のひらで押し付けるように転がし板ずりします。胡瓜のヘタを取り両脇に菜箸を当てて1cm間隔に数か所真横に包丁目を入れます(菜箸がストッパーになるので端まで切れることはありません)。胡瓜をひっくり返して同じ要領で1cm間隔に数か所斜め切りにしていくと胡瓜が蛇腹に切れます。
- 生姜をみじん切りにします。鷹の爪を小口切りにします。小鉢にこれらと[調味料パート]を合わせてよく混ぜます。これにきゅうりを加えて大きめのスプーンでよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- 名前に偽りなし。めっちゃクセになって箸が止まりません。「無限××」という料理は数あれどこれはピカイチだな。
- 胡瓜に包丁目を入れるのは味しみをよくするためです。面倒な方はすりこ木などで叩いてもOK(力を入れすぎるとガチで割れるので加減してください)。ただ、見た目の美しさにこだわる方は包丁目を入れるこの方法をおすすめします。この切り方の名前は「燕返し」。なんか格好良いでしょ。
- 胡瓜を他の野菜にかえて作ることもできます。キャベツを使う場合はキャベツを1、2分水にさらしてから、しっかり水切りをし、ざく切りにして和えてください。もやしを使う場合は1分ほど茹でて急冷。水切りをして和えてください。トマトを使う場合は砂糖を小匙1に変えてください。