中学生の頃、母に連れられてシェークスピアの芝居を観に行ったことがあります。
経緯は忘れたけど母が観たかったのかな。
といっても市民劇団主催とかの可愛らしい舞台ではなくて……
箱は神戸市文化ホールの大ホール(席数2000人のでかいホール)。
演目はマクベス。
主演は加藤剛でしたから思いっきり黒字が出せるガチの商業演劇でした。
マクベスは主君を殺めてスコットランド王に上り詰めようとする男の昏い野望と懊悩を描いた作品ですが後に加藤剛が主演した映画「砂の器」に通じるものがある物語だったな。
およそ3時間にわたる熱演を堪能させてもらったのですがそれよりなにより感心したのは演者達の誰にも違和感を覚えなかったこと。
だって、登場人物はマクベスだのダンカンだのマルカムなんて名前のバリバリ外国人なんですよ。
けど舞台上の人たちは誰がどう見たってバリバリ日本人なのです。
「この人たちは外見は日本人に見えるけどスコットランド人だと思って観てね」
というお約束を僕を含む観客たちは弁えて観ているからということもあったのでしょうが加藤剛をはじめとする演技人の技量によるところも大きかったんだろうなぁ。
料理の世界でも似たような国籍の入れ替わりと言うのはあります。
イタリア人にとってイタリア料理に中華風のアレンジをすること、あるいは中国人にとって中国料理にイタリアンなアレンジをすることはやはり抵抗があるようで保守的な人の中には「ゲテモノ」と切って捨てる人もいるみたい。
反面、「まずは食べてみる」派なチャレンジ精神あふれる人もいていざ食べてみると「あれ、言うほど違和感がないぞ」と感じることも往々にしてあるらしい。
考えてみれば料理に「国籍」なんて概念を持ち込んだ人間様の方がおかしくて本来は万国共通美味しいものは美味しいとだけわかっていれば良いのかもしれません。
この皿も明らかにイタリア料理からははみ出してしまっていますが「美味しいものは美味しい」と折り紙を付けて言える1品だと思います。
【材料】(1人分)
-調理時間:22分-
- スパゲティ:100~120g
- 豚ミンチ:80g
- 香味野菜(玉ねぎ、にんにく、セロリなど)のみじん切り:大匙1
- オリーブオイル:6g(大匙1/2)
- トマト缶(ダイスカット):100g
[パスタの茹で汁パート]
- 塩:6g
- 水:600g(カップ3)
[調味料パート]
- オイスターソース:6g(小匙1)
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 豆板醤:6g(小匙1)
- 甜麺醤:6g(小匙1)なければ蜂蜜7g(小匙1)または砂糖3g(小匙1)
[仕上げ調味料パート]
- 味噌:6g(小匙1)
【作り方】
- 冷たいフライパンに豚ミンチ、香味野菜のみじん切り、オリーブオイルを加えてよく和えます。これをごく弱火にかけて7分いじらずに焼きます。これをざっくり混ぜ合わせて更に3分焼きます。
- 1.にトマト缶と[調味料パート]を加えて中火にかけ水気が1/3程度になるまで煮詰めます。これに[仕上げ調味料パート]を加えてざっくり混ぜ火を止めます。
- 2.を始めたら並行して[パスタの茹で汁パート]を強火にかけひと煮立ちさせます。これにパスタを加えて規定時間-1分茹でてざるに揚げ湯切りします。
- 3.スパゲティを皿に盛りつけ上に2.のソースをこんもりと載せればできあがり。
【一口メモ】
- はっきり言って辛いです。けどそこが良き。ミートスパゲティというよりはイタリア版汁なし担々麺って感じかな。
- 辛さの秘密は意外かもですが[調味料パート]の甜麺醤(または砂糖か蜂蜜)。この甘みが辛さを引き立たせているのです。
- 手持ちがあれば香味野菜にはぜひセロリを加えてください。洋野菜と思われがちですが実は中華料理でも馴染み深いアイテムなんですよ。中華の炒め物全般(特に四川料理)に使えてこれを入れると風味が深くなるのです。