居酒屋のメニューには「とりあえず」とか「おしのぎ」と呼ばれる料理が載っていたりします。
焼き物や揚げ物は美味しいけど注文してから調理するので出てくるまでちょっと時間がかかります。
先にお酒だけ出てきてつまみなしで呑むのはちょっと……
いや、だいぶ寂しい。
そんな時、口寂しさを紛らしてくれる一瞬で出て来る小鉢料理、小皿料理の総称をそう呼んでいるんですね。
作り置きの利く料理であることが必須になるので煮物類などが多いかな。
ほかにも塩ゆでした枝豆なんかも定番ですね。
それ以外に切ってすぐ出せるものも「とりあえず」にすることができます。
その代表選手は「冷ややっこ」でしょうか。
たっぷり醤油をかけたひんやり冷たいのど越しの豆腐はもうそれだけでご馳走です。
けどまんま角切りにした白い豆腐が小鉢に盛られて出て来ただけではなんか寂しい。
ヴィジュアル的にもイマイチですよね。
なので気の利いた居酒屋なら薬味に凝ります。
定番は刻み葱におかか。
それ以外でも大根おろしがかかっていたり山葵や柚子胡椒が添えてあるだけでもテンションが上がります。
豆腐の上にたたき梅がちょんと載っていたりすると白地に赤いアクセントになって見た目も美しい。
豆腐同様、切ってすぐ出せるつまみに山芋があります。
生でも食べられる不思議な芋なので切って小鉢に盛ってわさび醤油などをかければすぐ食べられる実におつまみ向けの食材と言えます。
とはいえ、いつもいつもわさび醤油じゃつまらない。
ちょっと薬味に凝ってみたくてこんな一皿を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 山芋:5cm
- 酢水:水200ml+酢6g
- 梅干し:1粒
- 削り節:2つまみ
- 山葵:少々
[調味料パート]
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 昆布出汁の素:少々
- 味醂:3g(小匙1/2)
【作り方】
- 山芋は皮を剥いて賽の目に切り酢水に放って10分浸けます。待っている間に梅干しから梅肉をそぎ落として叩いておきます。
- 山芋をざるに揚げて水気を切り器に入れます。これに梅肉、削り節、[調味料パート]を加えてよく和えます。盛り付けを整えて山葵を載せればできあがり。
【一口メモ】
- 甘酸っぱい風味が新鮮な酒肴です。わさび醤油も悪くないけどたまにはこういうのも良いなぁ。かつおと昆布で旨味を強化しているのでしっかり美味しいのも嬉しいですね。
- 酢水には漂白作用があるのでこれに浸けることで山芋の白さをキープすることができます。削り節の茶、梅肉の赤と良いコントラストになりますよ。
- 手持ちがあればおくらや納豆を加えましょう。ボリュームアップするだけでなくねばねば感もぐぐっと上がって楽しい1品になります。