ヨーロッパで一番速く飛べる鳥は何か?
とあるビール醸造所の社長が仲間と狩猟に行った折にそんな論争が勃発しました。

「そりゃヨーロッパムナグロだろ」という人もいれば「いやライチョウの方が速いで」というおじさんもいる。
論争はなかなか決着が付きませんでした。
その社長はその論争自体よりも「●●で一番」というテーマを面白がり世界一ばかりを載せた本を作ったら評判になるんじゃないかなと考えて……
本当に本を作っちゃいました。
本のタイトルは自分のところで醸造していたギネスビールにちなんで「ギネスブック・オブ・レコーズ」。
これが今のギネス・ブックの初版になります。

ちなみに速い鳥の話ですが実はヨーロッパムナグロでもライチョウでもなくハリオアマツバメだそうです。
但しそれは水平飛行の話で急降下のスピードではハヤブサがその倍くらいのスピードを出すらしい。
ま、どうでも良いようなトリビアですがw
何にでも序列を点けたがる「ランキング好き」というのは洋の東西を問わないようで江戸の昔にも相撲になぞらえた「●●番付」なんてのがちょくちょく発行されていたようです。

ただこの種のランキングは万人が認めるほどはっきりと序列が決まれば良いのですが時として評価が割れて「何言ってやがる●●の方が上だろう」だの「ばかやろう△△に勝てるわけねえだろうがこのすっとこどっこい」なんて空しい口論を往々にして呼び起したりするものです。
どっちが速いかなんていう目で見てわかる勝敗ならまだ良い方でこれが食べ物の話になると更にややこしい。
いやそもそもどっちが旨いかなんて議論に意味があるのか自体疑わしいのですが。

それぞれが食べたいほうを食べてれば良いじゃん。
とまれそういった場合の解決策として優劣が拮抗しているものは横並びにするという方式が採用されたりするものです。
こうして生まれるのが「三大●●」だの「四天王」だの「●●クインテット(=5大●●)」という呼称です。
要は角が立たないようにお茶を濁す賢い方便な気がするなw
パスタの世界にもご多分に漏れず三大●●というのがあったりするのですが更にエリアをローマ限定にして他の地方の料理のファンを黙らせる手法を取ったのが「ローマの三大パスタ」です。

これに選ばれた3つのパスタ料理とは──カルボナーラ、カチョ・エ・ペペとそしてこのレシピ「スパゲティ・アマトリチャーナ」だそうな。
名前の由来はアマトリーチェという地名。
ローマから100kmほど離れた山間の町だそうです。
ローマとはけっこう行き来のある町でローマ市内の宿屋や食堂で働く人にアマトリーチェ出身者が多かったので自然とそこで出される料理の味もアマトリーチェ風と認知されたらしい。

トマトソース系のパスタなのですが特徴はグアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)とペコリーノ・ロマーノ(羊乳のチーズ)が使われるところ。
なかなか手に入らない食材なので塩を振って冷蔵庫で乾燥させた豚バラ肉やスライスチーズで代用しちゃってますが雰囲気だけでもと「三大パスタ」の一翼を味わってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:14分(豚バラ肉を冷蔵庫で乾燥させる時間は含めていません)-
- スパゲティ:100g
- 豚バラ肉:スライス1枚 またはパンチェッタかベーコン
- 塩(豚肉用):2g(小匙1/3)
- 玉ねぎ:1/4個
- にんにく:ひとかけ
- 鷹の爪:半本
- オリーブオイル:8g(小匙2)
- 粉チーズ:適宜
- (お好みで)タバスコ:適宜
[ソースパート]
- トマト缶(ダイスカット):70g
- フレッシュトマト:1/4個
- コンソメスープの素(顆粒):2g
- 塩:1g(小匙1/6)
- 白ワイン:15g(大匙1)
[茹で汁パート]
- 水:600g(カップ3)
- 塩:6g(小匙1)
【作り方】
- 豚バラ肉に塩(豚肉用)をまぶしてお皿に載せ冷蔵庫で1時間冷気に当てながら乾燥させます。 ※時間に余裕があれば一晩かけて乾燥させるとより本格的な味わいになります。
- 1.を小口切りにします。玉ねぎはスライスします。にんにくはみじん切りにします。鷹の爪は小口切りにします。[ソースパート]のフレッシュトマトは1cmの賽の目切りにします。
- [茹で汁パート]を鍋に合わせて強火にかけ沸騰したらスパゲティを加えて規定時間?1分茹でてざるに揚げ湯切りをします。
- 3.と並行してフライパンににんにく、鷹の爪、オリーブオイルを合わせて弱火にかけます。香りが立ってきたら豚バラ肉を加えて中火にし色が変わるまで焼きます。更に玉ねぎを加えてしんなりするまで炒め[ソースパート]の白ワインを加えてジュワッと言わせてアルコールを飛ばします。
- 4.に[ソースパート]の残りを加えてスパゲティが茹で上がるまで中火にかけて煮詰めます。
- 5.にスパゲティを投入します(火は点けたままにします)。トングでよく和えたらお皿に移して粉チーズをかければできあがり。お好みでタバスコを振って戴きます。
【一口メモ】
- すっきりした酸味のトマトソースと豚肉、チーズのボリューミーな具材のコンビネーション。どちらかというとガッツリ系寄りのパスタだと思います。腹ペコな日のランチに是非どうぞ。
- ソースのポイントは缶詰のトマトとフレッシュトマトを混ぜて使ってあるところ。酸味と甘みに奥行きが出せます。
- 本式にはグアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)とペコリーノ(羊のミルクのチーズ)を使うのですが買いそろえるのがちょっと大変なのでこのレシピでは手近なもので代用してお手軽に作れるようにしました。

