もってのほか、ガタタン、まんばのけんちゃん、いがまんじゅう、のっぺ──
郷土料理の中には名前を聞いてもどんな食べ物なのか全く想像がつかないものがちょくちょくあるようです。
ちなみに「もってのほか」は山形県の名物で食用菊の一種だそうな。

一説によると「天皇家のご家紋を食べるとはもってのほか」から来てるとか……うーむ。
僕が8年暮らした横浜にも、よその人が聞いたら「何それ」と言われそうな名物料理がありました。
その名も──「サンマーメン」。
「秋刀魚麺? 秋刀魚が載ったラーメンなの?」なんて、言ってはいけません。

たぶん、ハマッ子たちは生まれてこの方、何十回となくその返しを聞いているので、またかよという顔をされること間違いなし。
それは、街を歩いていて布団を干しているところを見かけたら「布団がふっとんだ」と言わずにいられない昭和のお父さんを見るような目だと思いますよ(笑)
それはともあれサンマーメンはもやしなどの野菜と豚肉を炒めてとろみを付けた餡をラーメンの上に載せた一種のあんかけラーメンです。
一般にあんかけラーメンというとスープ自体にとろみがついているものですが、サンマーメンのスープは普通の醤油スープでその上にしっかりとろみの付いた餡をかけたある意味「文字通り」の餡かけであることが特徴。
食べ進めると餡が下のスープと溶け合って急激に緩くなるので面白いです。
僕がサンマーメンの存在を知ったのは横浜暮らしを始めてわりとすぐのこと。
けど、根がへそ曲がりなので、引っ越してすぐに名物を食べに行くなんてまるでおのぼりさんみたいじゃないかとか考えて外食でも意識的に避けてきました。

「まあ、そのうち機会があれば食べてやろう」なんて考えているうちに8年が経過。
関西異動の辞令をもらったとたんに「サンマーメンを食べずに横浜を去ってはいけない」なんて妙な義務感を覚えたのです。
ホント、へそ曲がりだな(笑)
関西に戻る2カ月前。
2021年2月に念願のサンマーメンを初体験。
お店はなんと最寄り駅の地下にあったので、うちから徒歩10分の目と鼻の先でした。

後悔はいつだって、それが叶わなくなってからやってくる。
いつでも、できると思っているのなら、今それをすべきだよななんて、ちょっと大仰に思った出来事でしたね。
サンマーメン初体験から5年。
関西での生活も随分板についてきた今日この頃。
冷蔵庫のあり合わせでこんなラーメンを作りました。

別に意識していたわけではないのですが、サンマーメンに似たあんかけラーメン(こっちはスープ自体にとろみがあるやつ)ができあがりました。
麺をすすりながら、横浜を去る間際に食べたサンマーメンがちょっと懐かしくなりました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 袋ラーメン(醤油味):1袋
- ツナ缶:1/2缶+ツナ缶の汁
- もやし:50g
- 白ネギ:3cm
- ごま油:4g(小さじ1)
- 粉末スープ:添付の粉末スープの半量
- 水:250g(250ml)
- 水溶き片栗粉:片栗粉9g(大さじ1)+水
- 豆板醤:3?6g(お好みの量で)
【作り方】
- 小鍋にツナ、もやし、小口切りした白ネギにツナ缶の汁とごま油を加えて中火で1分半炒めます。
- 1.に水、粉末スープ、豆板醤を加えてひと煮立ちさせます。これに水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。工程3.で麺を投入するので火を弱めて煮立たせておきます。 ※豆板醤は工程1.で具材と一緒に炒めるのもありです。
- 工程1.が終わったら2.と並行して別鍋にラーメンを茹でる湯(分量外)を沸かします。湯が沸いたらラーメンを加えて1分茹でます。これをざるに上げて湯切りし、2.の小鍋に加えます。そのまま中火でパッケージに記載された時間から1分短い時間茹でます。火を止めて丼に移せばできあがり。
【一口メモ】
- ピリッと辛いスープがクセになる一杯です。あんかけにしてあるので冷めにくく寒い季節には体がポカポカ温まりますよ。
- 工程3.で一旦別鍋で麺を茹でることで麺に含まれる塩分を抜いています。その後、スープで麺を茹でることで餡がよく絡む仕上がりになります。
- 今回は冷凍してあったもやしを使いましたが野菜は冷蔵庫のあり合わせで、できるだけ多種類使いましょう。そうすることで摂れる栄養素の幅がぐっと広がります。

