ランチはいつもの定食屋。
ここは親子丼が美味しくて先週も食べちゃった。
だから、今日は何か別のものを頼みましょう。
ええと、カレーライス、かつ丼、唐揚げ定食か。

うーん、迷うなぁ。
新作の激辛麻婆豆腐定食。
これも旨そうだな。
ミックスフライ定食も捨てがたい──なんて、散々考えた挙句、店員さんに声をかけて「あの、親子丼ください」って言っちゃった。

なんて経験はありませんか。
飲食店や居酒屋でいつもと違うものを頼もうと考えていたのに結局いつものを頼んでしまう心理を『現状維持バイアス』と呼ぶのだそうです。
その原因はいくつか考えられますが、最たるものは「得をするかもしれない」という期待より「失敗するかもしれない」という恐れが勝るということじゃないでしょうか。
新作の激辛麻婆豆腐定食はめっちゃ好みの味かもしれないけど、もしかしたら辛すぎて自分には食べられないかもしれない。

この店の親子丼が美味しいことは分かっている。
冒険をしてランチが食べられずに涙目になるくらいなら、無難な方を選ぼうといった心理ですね。
この心理状態は夕飯の献立を考える時にも働きます。
例えば、冷蔵庫にお肉とじゃがいも、玉ねぎ、人参があるとします。
何か作ったことがない料理を食べてみたいな──なんて考えてネット検索。

なんか、すごく美味しそうな料理を見つけた。
よし、夕飯はこれを作ってみよう!
と意気込んだところで気持ちが立ち止まるのです。
はたして、本当に美味しいのだろうか。
いや、それよりこんな料理、自分に作れるだろうか。
もしかして、洗い物が多くて後片付けが大変なのでは?

様々な不安が心の中を渦巻き始めて……、やっぱり肉じゃがを作ろうっと。
なんて安直な結論に至るのは自炊あるあるでしょう。

けど、挑戦なくして料理のレパートリーは広がりません。
たまには自分を鼓舞して一歩踏み出すことも大事です。

この料理の主食材は鶏肉とじゃがいも。
いろいろな料理に使えそうですが、できれば作ったことがないもの、食べたことがないものにチャレンジしてみたい。
そう考えてレシピを検索しました。
その結果──またひとつ、僕の料理のレパートリーが増えて、今ここにレシピを書いている次第です。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 鶏もも肉:100g
- じゃがいも:中1個または小2個
- 片栗粉:6g(小さじ2)
- オリーブオイル:12g(大さじ1)
- バター:5g
- 粗挽きブラックペッパー:適宜
[下味パート]
- 酒:5g(小さじ1)
- 塩、ブラックペッパー:少々
- [調味料パート]
- 濃口醤油:9g(大さじ1/2)
- 味醂:9g(大さじ1/2)
- 酒:5g(小さじ1)
- 砂糖:3g(小さじ1)
- おろしにんにく:チューブ1cm分
【作り方】
- 鶏肉を一口大に切ります。これと[下味パート]とを合わせて5分漬け込みます。待っている間にじゃがいもの皮を剥き1cm角のさいの目切りにします。
- フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけます。鶏肉の汁気を切って片栗粉をまぶします。
- 2.のフライパンに鶏肉を加えてそのまま1分いじらずに焼きます。鶏肉をひっくり返してさらに1分焼きます。待っている間に[調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。
- 3.にじゃがいもを加えて油を絡めながら3分炒めます。
- 4.のフライパンに[調味料パート]を加えて絡めながら炒めます。水気がほぼなくなったら火を止めて、粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。
【一口メモ】
- とにかく風味が食欲をそそります。このにんにく、バター、醤油のコンビネーションを考え付いた人は天才だな。
- 段取り良く仕上げるためには工程の中の「待っている間に」が重要ポイント。時間がかかるだけで手が空くタイミングがありますので、その時間を利用して他の作業を進めると手早く作れます。
- オリジナルのレシピはサラダ油で焼く手順だったのですが、オリーブオイルに変えてみました。にんにくとの組み合わせで、ちょっとスペイン料理のアヒージョっぽく仕上がります。お値段は少々高めですがオリーブオイルは香りだけでなく味も良いのです。
- 鶏肉の部位はもも肉がおすすめ。脂が多い部位ですが、その脂のコクが料理のグレードを一段高くしてくれるのです。

