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炒飯

海老チャーハン

撞着語法(どうちゃくごほう)──と聞いてもたいていの人は「それ何?」ってなっちゃうと思います。

僕も最近その意味を知るまではご同様でした。

ちなみに英語で言うとオクシモロン(oxymoron)というらしい。

って、英語で言われても更になんのこっちゃってなりますよね。

とまれその言葉自体は知らなくても言葉の説明を聞けば誰もが「ああ、あれのことか」と納得するよく知られた修辞法です。

撞着語法は特定の状況、状態を強調するのに使われる文章表現のテクニックのひとつです。

簡単にいうとその状況、状態とは矛盾する言葉をくっつけてその状況、状態を際立たせるといった使い方をします。

例えば「黒いシロクマ」という表現などがそう。

けど、この例えだと「そんな生物はおらん」で済まされそう。

でも、こんな表現ならどうでしょう?

「小さな巨人」

ドカベンの里中投手を想像しちゃいますが小柄だけどビッグで凄い人というイメージが際立ちます。

あるいは「公然の秘密」。

冷静に考えると秘密が公然でどないするねんとツッコミたくなりますが要は「その秘密は形骸化していてみんな知ってるで」というのがよくわかります。

あるいは「生ける屍」。

これも「屍が生きとるってゾンビかいな」とツッコむ人はまずいません。

大半の人は「ああ、一応息はしているから生きてはいるんやろうけど魂が抜け殻みたいになってしまった人やねんな」と察します。

これが撞着語法。

二つの矛盾する言葉を合わせて状況を際立たせる効果があります。

この修辞法は上手に使うと人目を良く惹くのでキャッチフレーズや歌のタイトル、歌詞などにもよく使われます。

往年のアメリカン・アニメーション「トムとジェリー」の主題歌にも「仲良く喧嘩しな」なんてフレーズがありましたがこれはまさに撞着語法です。

あるいはサイモンとガーファンクルのヒット曲「TheSoundofSilence」やキャンディーズのヒット曲「優しい悪魔」なんかも撞着語法を使っていると言えます。

で、なんでこんな話をしているかというと、この炒飯を調理して一口食べた時に思い浮かんだ言葉が

「安価な贅沢」

だったからにほかなりません。

海老をたっぷり使った炒飯は如何にも豪華なご馳走。

すっごく贅沢な気分が味わえました。

けどね、サイズ不揃いのむきエビがたっぷり入ったパックが特売で200円弱だったのです。

で、炒飯に使ったのは1/4パックくらい。

つまり僕が浸った贅沢は50円玉を出せばお釣りが返ってくるくらいのお値段だったというw

まさに「安価な贅沢」──撞着語法の極みだなぁと独り言ちたのでした。

【材料】(1人分) 

調理時間:10分-

  • ご飯:1膳分
  • 卵:1個
  • マヨネーズ(卵用):6g(大匙1/2)
  • むきエビ:50g
  • 白ネギ(青いところ):5cmまたは玉ねぎ1/4個
  • サラダ油A:48g(大匙4)
  • サラダ油B:12g(大匙1)
  • ごま油:2g(小匙1/2)

[むきエビ用調味料パート]

  • 酒:5g(小匙1)
  • 片栗粉:3g(小匙1)
  • 塩、ブラックペッパー:少々
  • 味の素:少々
  • マヨネーズ:6g(大匙1/2)

[炒飯用調味料パート]

  • 塩:1g
  • 濃口?油:3g(小匙1/2)
  • 味醂:9g(大匙1/2)

【作り方】

  1. 海老の表面の水分をキッチンペーパーでふき取り[むきエビ用調味料パート]の片栗粉以外を加えてまぶします。卵を器に割り入れマヨネーズ(卵用)を加えてよく混ぜます。白ネギまたは玉ねぎは微塵切りにします。[炒飯用調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。
  2. 中華鍋かフライパンにサラダ油Aを入れて中火にかけます。そのまま約2分ほど待ち油を十分に温めます(パン粉を一粒落としてすぐ浮き上がってくるくらいが目安です)1.のむきエビに片栗粉をまぶしてこれに入れそのままいじらずに1分焼きます。ひっくり返して更に30秒焼き一旦これを皿に取ります。油はオイルストッカーに戻します。
  3. 2.の中華鍋を洗わずにそのまま使います。サラダ油Bを入れて強火にかけ煙が立ち始めたら1.の卵液と白ネギを入れてざっとかき混ぜます。更にご飯を加えてご飯をしゃもじまたは調理スプーンで切るようにしながらしっかり炒めます。 ※家庭用のコンロは業務用に比べて火力が弱いのでプロの人がやっているように鍋を煽るのはおススメしません(鍋の温度が下がってしまいます)。それでもご飯を切るように炒めて卵を混ぜ込めば十分パラパラに仕上がりますよ。
  4. 3.にエビを戻して[炒飯用調味料パート]を鍋肌から流しいれざっと炒めれます。これにごま油を加えてざっとかき混ぜればできあがり。

【一口メモ】

  • 海老の濃厚な風味がたまりません。仕上げに垂らすごま油の風味も良い感じ。
  • ポイントはむきエビにしっかり下味を付けることと予め揚げ焼きすること。こうすると表面はカリッと中はジューシーなぷりぷりの海老を楽しめるのです。
  • 具材はシンプルにしていますが椎茸やエリンギなどの茸を加えても美味しいですよ。あとおろしにんにくを少し加えると風味がよりワイルドになります。
  • [炒飯用調味料パート]に豆板醤を加えてエビチリ風のピリ辛味にするのも楽しいです。

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