「●●専門店」なんて看板を見るとそのジャンルのエキスパートがやっているお店、●●に特化した特別なお店という印象がありますがよくよく考えると世の中の飲食店は「●●専門店」の方がずっと多い気がします。
たとえば駅の立ち食いそば屋で中華料理は食べられませんし、フレンチレストランで「月見一杯ね」なんて言ってもきょとんとされるでしょう。
同じ鉄板焼きジャンルでありながらたい焼きを売っている店でたこ焼きやお好み焼きを注文してもまず出てきませんよね。
てか鯛の形をしたたこ焼きやお好み焼きを出されてもびっくりするのですが。
イマドキはインスタネタとしてやってそうな店があって怖いな(笑)
けれど駅蕎麦や町のたい焼き屋を指して「あれだって専門店じゃん」と言ってもそれは詭弁だ屁理屈だと言われかねません。
ただ、その店のうどんメニューが100種類あったらどうでしょう。
あるいは100種類のたい焼きを食べられるお店だったらどうでしょう。
それはもう押しも押されぬその道のスペシャリスト。
《専門店》の名に恥じないお店だと思います。
もう二十年くらい前になりますが上野にある中華料理屋さんのメニューの写真をネットで見かけたことがあります。
この店の炒飯のメニューが変わっていてこんな感じでした。
「黒炒飯」「赤炒飯」「青炒飯」「黄炒飯」「白炒飯」って、秘密戦隊かよwどうやらそういった色をした炒飯を出してくれるらしい。
黒はたまり醤油風味、赤はキムチ、青はほうれん草、黄はカレー炒飯、白は卵の白身だけで作った炒飯だったかな。
とまれメニューを見た瞬間からワクワクが止まらない。
この「どれにしようかな」感が専門店のだいご味なのでしょう。
炒飯と言えば具材はみじん切り的な細かいものがスタンダードですが敢えてゴロゴロ感を楽しむために具材を大きく切った炒飯があったって良い──件(くだん)のお店ならもしかしたらこんな炒飯も出していたかもなんて夢想します。
【材料】(1人分)
-調理時間:9分-
- ご飯:1膳分
- 卵:1個
- マヨネーズ:24g(大匙2)
- 鶏むね肉:30g
- ごぼう:3cm
- ホワイトペッパー:少々
[調味料パート]
- 中華スープの素:2g
- 塩:1g(小匙1/6)
【作り方】
- ごぼうはささがきにして水(分量外)に5分晒してアクを抜きます。終わったらざるに揚げて水気を切ります。
- 1.と並行してご飯とマヨネーズの半量(12g(大匙1))を合わせてよく混ぜておきます。卵はマヨネーズの残り半量を加えて均一に混ざり合うまでよく溶いておきます。鶏むね肉は1.5cm角の賽の目に切ります。
- 中華鍋かフライパンを強火にかけて煙が立つまで温めます。これに卵を入れてかき混ぜながら炒めます。卵が半熟になり始めたらご飯を加えて手早く混ぜ合わせながら炒めます。ご飯がパラパラになったら一旦皿に取ります。 ※この工程の終わりと1.の工程の終わりが同時になるように調整すると段取り良く短い時間で作れます。
- 3.の中華鍋かフライパンに鶏肉とごぼうを加えて1分炒めます。これにご飯と[調味料パート]を加えてよく混ぜながら炒めます。仕上げにホワイトペッパーを振ってひと混ぜすればできあがり。
【一口メモ】
- 具材の食感がしっかりしているのが新鮮。なんか具沢山な炒飯を実感できます。
- このレシピの段取りポイントはごぼうのあく抜きが終わるまでにご飯を炒め終わっておくこと。ごぼうを水に晒し始めたら手早くご飯の炒め作業にかかってあく抜きの終わりを待つくらいの感覚で仕上げましょう。
- ご飯と卵だけでも上手に作ればパラパラの炒飯は作れますが卵と油を乳化させたマヨネーズを使うことでより容易にパラパラにできます。ポイントは炒める前にご飯とマヨネーズを混ぜ合わせて油の被膜で米をコーティングしておくことと卵とマヨネーズを先に合わせて卵と油をなじませておくことです。
- マヨネーズに含まれる油で炒めるので追加でサラダ油は使っていません。
- 炒飯は具材をみじん切りにしておくのがスタンダードですがたまには具材のゴロゴロ感あふれる炒飯も楽しいなと感じました。