冷蔵、冷凍技術の発展がもたらした恩恵はなんと言っても食料の安定供給だと思います。
食料がいっぱい獲れても基本的に日持ちしないので腐らせてしまうだけ。
この余った食材を収穫が乏しい時のために取っておければ……
そんな課題を解決して人類を飢餓から救ってくれました。
けど、それ以外の副次的な恩恵もあると思うのです。
それは──冷たい料理が楽しめること。
アイスクリームやかき氷なんて昔の王侯貴族だってなかなか食べられないごちそうでしょう。
夏の暑い盛りに手軽に食べられる21世紀の生活はやっぱ幸せだなぁと思います。
あるいはちょっと想像してみてください。
晩酌用に買っておいたビールがずらっとあるのに冷蔵庫が壊れちゃった……
果たしてあなたは常温でも構わないからと栓を開ける勇気がありますでしょうか。
確かに本場ドイツなどでは日本のようにビールをキンキンに冷やして飲む習慣はないそうですが一度あの冷たいのど越しを知ってしまったらもうぬるいビールには戻れないと思っちゃいます。
お酒が飲めない方でもなまぬるいサイダーをごくごくごく飲むのを想像したら……なんかヤダ。
そして冷菜。
本来は熱々のはずの煮物の粗熱を取って更に冷蔵庫でひんやり冷やした小鉢料理。
それはもはや別次元の食べ物です。
ただでさえ狂乱の暑さが続く夏の夕間暮れ。
なんということのないこんな小品が最高のごちそうになったりするのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 白瓜:1/3本
- 鶏むね肉:100g
- ごま油:4g(小匙1)
[煮汁パート]
- 水:80g(80ml)
- 鶏がらスープの素:2g
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 鷹の爪:半本
【作り方】
- 白瓜は皮を剥いてワタ、種を大き目のスプーンで取り縦半分に切って更に5mmのいちょう切りにします。鶏むね肉はそぎ切りにします。鷹の爪は小口切りにします。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけます。鶏肉を加えて肉の色が変わるまで炒めます。一旦これを皿に取ります。
- 2.のフライパンに白瓜を入れて1分炒めます。これに[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせます。更に鶏肉を加えて2分煮ればできあがり。そのまま食べても良いのですができれば粗熱を取って冷蔵庫で冷やして戴きましょう。
【一口メモ】
- 特に暑い盛りはキンキンに冷やすとめっちゃ旨いです。但し、ビールが欲しくなっちゃいます。
- お好みで[煮汁パート]に針生姜を加えると舌に載った時に一段ひんやりとしますよ。戴く前に糸切りした大葉をちょんと載せるのも良き。
- 瓜系の野菜ならなんでも作れます。白瓜を冬瓜や茄子などに変えていろいろ試してみてください。
- 変化球で胡瓜を使っても美味しい冷菜になります。その場合はシャキシャキ感を残すため工程3.の煮る時間は1分程度にしてください。