近頃よく「タイパ」という言葉を耳にするようになりました。
流行り出したのは2022年頃からかな。
タイパはタイム・パフォーマンスの略語でコスパ(コスト・パフォーマンス)が投資したお金に対して得られる対価の大小を評価する言葉なのに対して投資した時間に対する見返りの大きさを評価する言葉です。
確かに日本人は時間の価値にわりと無頓着で予定に間に合わないのならいくらでも残業して(時間を投じて)間に合わせれば良いじゃんという風潮がありました。
なので「時間はタダじゃない」と考えるのは良いことだとは思います。
けどそれが行き過ぎて上司が部下に「なぜこれをしなければならないのか」、「なぜその手順でなければいけないのか」を考えさせようとするとこんな答えが返ってきたりするらしい。
「先輩、答えを知っているんでしょ。だったらすぐ教えてくださいよ。知らない俺にそれを考えさせるのってタイパ悪いじゃないですか」
なんだかなぁ──って60過ぎのおっさんは思っちゃいます。
「宿題を忘れたのは妖怪のせいです」
「それってあなたの感想ですよね」
なんて言い訳をする小学生みたいw
妖怪ウォッチやひろゆき同様自分で考えるのがめんどくさくいと認めたくなくて時間を盾に取っているだけじゃん。
その「なぜ(=原理原則)」の考察をめんどくさがるのって凄く損をしてるんだけどなってね。
ま、おっさんの繰り言は横に置いておいて何の話がしたかったかというとタイパと味噌の話がしたかったのです。
近年、家庭料理において味噌という調味料は醤油に比べてマイノリティになっている気がします。
醤油を置いていない家庭はあまりないと思うのですが味噌を常備していない家庭は普通にありそう。
で、なんで味噌が敬遠されるようになったかを考えてみたらたぶんタイパが悪いのが一番の理由じゃないかなと思ったわけです。
醤油は液状なので料理に加えてさっとかき混ぜれば均一に味が付きます。
ところが味噌は固体状で料理に加えた上で味を均一にするためには「溶く」という作業が必要になります。
イマドキの家庭料理は何より時短が尊重されますのでそれはまどろっこしくてやってらんないと考える人が増えたんじゃないかな。
味噌が敬遠される理由は他にも考えられて例えば保管するにしても醤油はボトルを冷蔵庫に立てておくだけで済みますが味噌はぴっちり表面をラップなどで覆っておかないと空気に触れたところから乾燥したり風味が変わったりします。
あるいは醤油に比べて風味の主張が強いので料理によっては合わないものもあります。
更に豆板醤、甜面醤などの中華味噌をはじめとしてアジアンテイストの味噌の選択肢が増えたこと。
それに比べて昔ながらの味噌は「おばあちゃんの味」然としていて若者ウケしないのかも。
そんなこんなで敬遠されがちになった味噌は使う頻度が下がった分、冷蔵庫に長いこと居座って持て余しちゃう。
だったら常備するのは止めようと考える人が増えて……
という悪循環が起きている気がするな。
味噌汁が飲みたかったら使い切りのインスタント味噌汁で十分だしなんて考える人もいそうです。
けどねそれは人間側の都合で味噌の風味は昭和の昔も今も変わってはいないんですよね。
味噌の真価の再発見──そんな大仰なテーマでもないのですが例えば他の調味料や食材と合わせてみれば今まで知らなかった味噌の新しいテイストが生まれるかもしれないと過日思い立ったのです。
味噌とマヨネーズ、味噌とチーズ、味噌とカレー粉……なんか想像するだけでワクワクしてきます。
そして──この丼のように最強の万能調味料「焼き肉のタレ」と味噌を合わせるなんて選択肢もありだと思うのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- ご飯:1膳分
- 豚こま:100g
- 玉ねぎ:1/4個
- ごま油:4g(小匙1)
[調味料パート]
- 市販の焼き肉のタレ:18g(大匙1)
- 味噌:9g(大匙1/2)
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切ります。玉ねぎは細切りにします。[調味料パート]を合わせてよく溶いておきます。
- フライパンを中火にかけて豚肉を加えます。肉の色が変わり始めたら玉ねぎを加えてしんなりするまで炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めます。
- 丼にご飯をよそい3.をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- 焼肉のタレが少し辛めなのでガツンと来るテイストに仕上がりました。おろしにんにくの風味も良い感じに食欲を刺激してくれます。
- 市販の焼き肉のタレは甘口、中辛、辛口などに分かれていたりします。その日の気分で使い分けると風味に振れ幅ができて楽しいですよ。
- 更にピリ辛がお好みな方は鷹の爪の小口切りを工程2.の肉を投入する前に加えておくか[調味料パート]に豆板醤を適宜加えてみてください。
- 仕上げに温玉をトッピングして少しずつ崩しながら戴けば風味のグラデーションを楽しむこともできますよ。