2004年に開催されたアテネオリンピックはほぼ全競技を僕はリアルタイムで視聴しました。
たいしてスポーツに興味がないクセになぜそんな夜中の番組を観ていたかと言うと広島でホテル住まいをしながら参加していたプロジェクトが佳境で毎晩ホテルに帰るのが日が変わってからという過激な状況だったからなんですね。
で、変なテンションになっちゃってビールを飲みながらスポーツの祭典を観戦するのがクセになっちゃってたなぁ。
とはいえたまには早く上がる日もあってちゃっかり行きつけの居酒屋なんてのを作っていたりもしました(若かったなぁ)。
で、その居酒屋が気に入った理由のひとつは「料理の提供が0秒」というシステムだったことにあったりします。
「なにそれ凄い!」
って言われそうですが何のことはない作り置きの料理が冷蔵ケースに入っていて客が自分でそれをテーブルに運んで食べるという方式だったというだけなんですが(笑)。
確かチェーン店の「ザ・めしや」もこの方式で小皿料理などを自由な組み合わせで取って行って清算するスタイルだったんじゃないかな。
飲食店にとって回転率の向上は重要課題のひとつでそのために料理の提供を速くできるよう店主の方々は知恵を絞ります。
作り置きの料理をお客さんに持って行ってもらうというのもそういった工夫のひとつですね。
ただこの方式には難点があって「料理が冷たくなっている」という点で顧客満足度を下げるリスクがあります。
その問題を解決する方策として考えられたのが「客が店に入ってくる前に調理にかかる」というやり方です。
人気のラーメン屋さんで行列に並んでいると店員さんが店から出て来て順番に注文を取るという光景を見たことはありませんでしょうか?
あれは「並んだ客は逃がさない」という効果とともに「客が入店する前に調理を始めて素早く料理を提供する」という狙いもあるのです。
その進化系で近頃はスマホのアプリで予約してから店に行くともう料理ができているなんて凄いことにもなっていますね。
けどこの方式にも難点はあってお客さんが店に入る時間が予測とずれると料理が先にできてしまうなんてこともありそう。
そんな「作り置き方式」と「先行調理方式」の良いとこ取りをしたのが吉野家などの牛丼屋さんのスタイルじゃないかしらんと思います。
注文を受けたらご飯を丼に盛って予め煮込んでおいた具材をかけて素早く提供する。
作り置きだけど温かい。
先に作っておいても味に支障はない(むしろよく沁みている)。
扱う料理が限定的ではあるけれどあれは本当によく考えられたシステムだなぁと改めて思います。
過日、朝からヨーグルトメーカーにお肉と煮汁をセットしてランチタイムにこんな丼を戴きました。
低温で長時間煮込んだお肉は熱々だけど柔らかい!
何よりお肉をセットしたらランチタイムまで何もしなくても勝手に料理ができている! まさに吉野家方式の良いとこ取りをしたテレワークにおススメの一杯だなと自画絶賛しました。
【材料】(1人分)
-調理時間:14分(お肉を炊飯器で煮込む時間は含めていません)-
- 豚ローススライス(生姜焼き用):100g
- ご飯:1膳分
- 野菜類:玉ねぎ、人参、ピーマン、茸など
- 生姜スライス:1枚
- サラダ油:4g(小匙1)
- 茗荷:1/4本
[漬けダレパート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切ります。[漬けダレパート]を合わせてよく混ぜます。ジップロックに豚肉と[漬けダレパート]を合わせて空気を抜き口を閉じます。
- 1.のジップロックを炊飯器に入れてそれが浸かるくらいのお湯(分量外。ちょっと熱めの70度くらい)を注ぎます。炊飯器の蓋を閉じて保温モードにし2時間置きます。待っている間に野菜類、生姜スライス、茗荷は細切りにしておきます。 ※ジップロックの口がお湯に浸からないよう注意しましょう。
- 2.のジップロックの中身をざるに揚げてお肉と[漬けダレパート]に分けます。お肉はくっついていると思いますので1枚ずつほぐしておきます。 ※ジップロックは使い捨てになりますのでキッチンばさみで解体して中身をきっちり絞り出しましょう。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけます。これに野菜類、生姜を入れて1分炒めます。更に[漬けダレパート]を加えて水気が半分以下になりとろみが付く寸前まで煮詰めて火を止めます。
- 丼にご飯を盛ってその上に3.の肉を敷き詰めます。4.を[漬けダレパート]ごと回しがけ茗荷をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- 使っているのは安いお肉なのにうっとりするくらい柔らかいです。しっかり生姜の風味も利いていて甘辛い豚丼ではなく生姜焼き丼だぁって気分に浸れます。
- 焼くのではなく低温で煮て火を通しているので厳密に言えば生姜《焼き》とは言えないかもだけど美味しいことには変わりないので気にしない気にしない。
- このレシピでは汎用的な作り方として炊飯器の保温モードを使っていますがヨーグルトメーカーをお持ちなら62~3度に設定して2時間煮込んでください。よりレアチャーシューっぽくなります。
- 低温で火を通すため調理には時間がかかります。食中毒は怖いので決して煮込み時間を短縮しないようにしてください。それでも2時間煮込めば大丈夫です。