なぜ牛丼には生卵をかけるのか?
その理由は諸説あるらしいのですが一番納得がいくのは
「牛丼の源流が牛鍋でありすき焼きを生卵に浸けて食べる文化が引き継がれた」
というやつでしょうか。
更に納得いく理由を求めるとすれば──「美味しいから」に尽きるとは思うのですが。
様々な理由を四の五の上げ立てる必要はありません。
ただ一つ
「あの甘辛いタレに生卵は最高に相性が良いから」
という理由だけで十分な気はします。
ところで、牛丼に生卵をかける食べ方がすき焼きに倣ったものなのであれば卵をよく溶いてからかけるのが正統派な気がします。
実際、大半の人はそうやって食べるんじゃないでしょうか。
けど僕は少数派で卵を溶かずにかける派だったりします。
黄身が丸いままの状態で白身ごと牛丼にかけてまずは白身と牛丼を箸で掬って味わう。
しかる後に黄身をほんの少し崩して黄身オンリーと牛丼で味わう。
そこから徐々に黄身を崩して白身に混ぜ込んでいき徐々に変化する味のグラデーションを楽しむというのが僕の卵かけ牛丼スタイルです。
いうほど深いこだわりがあるわけでもないのですがわりと初めて牛丼を食べた頃からそういう食べ方をしていていろいろな味が楽しめるので気に入っています。
端的に言うと味変好きということですかね。
ラーメンなども途中で酢を入れたりして味を変える冒険をしたくなります。
ただ、僕が卵を溶かずに牛丼にかける理由はもう一つあります。
それはかけた時の見た目が美しいから。
牛丼の中央を少しくぼませてそこに黄身が落ち着くように卵を流し込む。
茶一色の丼の中央に鎮座する卵の黄身はまるで雲間から現れた満月のよう。
その姿をめでるのが何となく好きなのです。
なので、牛丼に限らず卵をかけるスタイルの丼を拵える時はこの写真にあるようについついど真ん中に黄身を盛り付けてみたくなります。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- ご飯:1膳分
- 豚バラスライス:100g
- 卵黄:1個分
- 大葉:1枚
[豚肉の下味パート]
- 塩、ブラックペッパー:少々
- ごま油:4g(小匙1)
[ポン酢ダレパート] ポン酢醤油:22g(大匙1.5)
- 玉ねぎ:1/4個
[ご飯の味付けパート]
- 卵白:1個分
- 鶏がらスープの素:小匙1/2
- 蕎麦の返し:小匙1
【作り方】
- 豚バラ肉は食べやすい大きさに切ります。冷たいフライパンに豚肉と[豚肉の下味パート]を合わせてよくまぶし肉が重ならないように並べます。これをご弱火にかけて10分焼きます。肉をひっくり返して更に3分焼きます。 ※フライパンが冷たい状態からごく弱火で時間をかけて肉を焼く手法をコールドスタートと言います。こうすると肉がカリカリに焼けて炭火で炙ったような食感になります。
- 1.をやっている間に大葉は千切りにします。[ポン酢ダレパート]の玉ねぎをみじん切りにしてポン酢醤油と合わせてよく混ぜておきます。
- 卵を卵黄と卵白に分け卵白は小ぶりのボウルに入れます。これに[ご飯の味付けパート]の残りを加えて泡立て器で1分泡立てます。丼にご飯をよそい[ご飯の味付けパート]を加えてよく混ぜ込みます。
- 丼のご飯の中央をくぼませてその周囲に1.の肉を盛り付け、小ぶりのスプーンを使って[ポン酢ダレパート]を振りかけます。丼の中央のくぼみに卵の黄身を盛り、その周囲に大葉を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- しっかり味の付いたご飯、ポン酢ダレが利いた焼き肉、濃厚な風味の卵の黄身の三層構造にしつらえた丼料理です。まずはそれぞれの層を個別に食べてみて少しずつ混ぜ込みながら食べてください。味が徐々に変化していくグラデーションが楽しめます。
- 手持ちがなかったのでレシピに含めていませんができれば白ごまを振ると風味が更に良くなります。
- 風味付けに大葉を使っていますが他にも味を変化させるトッピングはいろいろあります。おススメは大根おろし、すりおろした山芋、七味唐辛子、わさび、梅肉など。お好みでいろいろと使ってみて味の変化を楽しんでください。なお、大根おろしやとろろを使う時は味が薄まるので[ポン酢ダレパート]を1.5倍くらいに増量することをおススメします。