これがあればご飯3杯はいける。
なんてのは江戸の昔からありそうな旨いおかずにまつわる常套句ですが、ここでいう「旨い」というものが結構クセ物だったりするんですよね。
白いご飯が何杯でも食べられる「旨さ」は往々にして味が濃い=塩辛いということなのです。
だからご飯がないと単品で食べるのはキツい。
そのしょっぱさを薄めるためにご飯に頻繁に箸を伸ばすから自然に何杯もおかわりしちゃうという構図になっていることはわりと誰もが知っている話です。
和食は世界に誇るヘルシーな食事みたいに言われますがその塩分過多っぷりは半端じゃありません。
そういうとこは改善していくべきなんだろうなと思います。
浅田次郎が「きんぴか」の中で辛口の塩鮭を形容するのに「口がひん曲がりそうな塩鮭」と書いていましたが言いえて妙な表現だと思います……思いますけど、体に悪いよなぁw
けど、物は使いよう。
塩分の多い塩鮭をそのまま食べれば塩分過多でしょうけどその塩気を調味料の代わりにして──ほかの調味料を控えめにして煮物にでもすればトータルで塩分摂取量はトントンになるんじゃないかしらん。
そんな風に考えたら試してみたくなりました。
ちょうど冷蔵庫に塩鮭がひときれ残っている。
他の料理に使った豆乳も半分残っている。
それらを合わせてこんな料理を試作してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:25分-
- ご飯:1膳分
- 塩鮭:1切れ
- 大根:1cm分
- かぼちゃ:50g
- 人参:2cm分
- 豆乳:100
- 味噌:6g(小匙1)
[鮭の下ごしらえパート]
- 水:150g(カップ3/4)
- 味醂:6g(小匙1)
- 酒:10g(小匙2)
【作り方】
- を小鍋に合わせます。鮭を一口大に切って骨を取り[鮭の下ごしらえパート]に10分漬け込みます。
- 1.と並行して野菜類を下茹でする湯(分量外)を沸かします。待っている間に大根、かぼちゃ、人参は1cm角の賽の目に切ります。湯が沸いたら野菜類を投入して中火で5分茹で、ざるに揚げて湯を切っておきます。
- 1.の小鍋から鮭を一旦引き上げて取り置きます。これにかつお出汁の素を加えて強火にかけてひと煮立ちさせます。煮立ったら火を弱火にし、2.の野菜類とご飯を加えて蓋をし、5分煮込みます。 ※この段階では調味料は加えません。塩鮭から抜けた塩気で味を付けます。
- 3.に豆乳、味噌を加えてよく混ぜ更に鮭を加えて蓋をし、弱火で5分煮ればできあがり。味を見て薄いと感じたら塩(分量外)を加えて調整します。
【一口メモ】
- 豆乳と味噌は相性抜群で水と塩から作るおじやより格段に風味豊かになります。しかも具沢山なので満足感の高い一杯になること請け合い。
- このレシピのポイントは塩鮭の塩気を調味料代わりに流用することで塩分過多になるのを抑えているところです。鮭の塩気を抜く時は水オンリーではなく酒、味醂を加えることで鮭の旨味が抜けるのを抑えつつ塩気を抜くことができます。塩抜き液の配合は水500mlに対して酒30g(大匙2)、味醂18g(大匙1)を目安にしてください。
- 野菜類は一例です。冷蔵庫の中身と相談しながらあり合わせでいろいろ入れてみてくださいな。