明治時代のジャーナリスト服部誠一の著書『東京新繁昌記』にこんな単語が出てきます。
撒拉托
うーん、読めん。
けど、音読みで辿って行くと……「さん? いや、さ……ら……だ??」そうサラダのことなんですね。
どういう当て字なんだw
それ以外にも昔の辞書の漢字表記では左良多、薩拉打、生菜料理なんて記述があるそうです。
明治の頃は外国語をカタカナで表記する文化がなかったのかな。
ま、それでも21世紀の僕らは読みさえわかってしまえばこれらの単語が指し示す料理がどんなものかはすぐにイメージできます。
けど、文明開化が始まったばかりの当時の庶民からしたら「サラダ? それ美味しいの?」っていう感じでしょうね。
余談ですが表記と言えば英語でサラダの綴りはsaladです。
僕は長いこと最後にaが来てsaladaとなるものだとばかり思い込んでいました。
これなんかは耳で聴きとった音をカタカナ表記にする文化の弊害かもしれないな(って、正しい綴りを覚えれば済む話ともいうw)。
サラダという料理の定義はいろいろ言われていますがざっくり言うと野菜などの食料に塩や油、酢などの調味料をかけた料理を指します。
この「調味料」をかけるという手間がサラダをサラダたらしめている点で生野菜を切って皿に盛ってもサラダとは呼びません。
そもそもサラダ(salad)の語源は塩(salt)と同じで元々は調味料を指す言葉だったそうです。
ま、堅苦しい定義はさておき、僕が小学生だった昭和40年代頃、僕目線でとらえたサラダのイメージはキャベツやきゅうりなどの生野菜にマヨネーズをかけた料理というかなり偏見を含んだものでした。
それが中学、高校の頃になるとドレッシングなるものが登場していろんな味のサラダを楽しめるようになりました。
使う野菜もレタスだのトマトだの多様化してそのうちカリフラワーやブロッコリーなんて聞いたこともない野菜も使われるようになりました。
なんでかそういう野菜は八百屋ではなくスーパーで売られているという偏見もあったなぁ。
実際は八百屋さんでも売っていたと思うのですが。
更に大学生から社会人になってバブル経済華やかな頃になると肉や魚をふんだんに使ったサラダも登場ました。
もはや主菜のおまけで付いてくる貧相な野菜料理とはかけ離れた存在になってしまっていたな。
けど、未だに僕の中ではサラダといえばキャベツやきゅうりにマヨネーズをかけた料理という固定観念を払しょくできていなくて、このレシピで紹介しているような料理を見ても「こんなのサラダじゃない」なんて心のどこかで思っちゃうんですよね。
ま、美味しいんだけれどw
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- トマト:半個
- 牛こま:100g
- 玉ねぎ:1/4個
[ドレッシングパート]
- おろし生姜:ひとかけ分
- 炒り胡麻:小匙1
- 蕎麦の返しまたはめんつゆ:大匙1
- 酢:7.5g(大匙1/2)
- ごま油:6g(大匙1/2)
- 砂糖:2g
- 塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 牛肉を茹でる湯(分量外)を沸かします。沸騰したらお肉を加えて1分茹でます。茹で上がったらざるに揚げて粗熱を取り食べやすい大きさに切ります。並行してトマトは1cm角の賽の目切りに、玉ねぎはみじん切りまたは薄くスライスします。
- [ドレッシングパート]を合わせてよく混ぜます。サラダボウルに1.を入れて[ドレッシングパート]を回しがけよく和えればできあがり。冷蔵庫でよく冷やして戴きましょう。
【一口メモ】
- ドレッシングはちょっと和風に寄せてありますが鉄板の美味しさで箸が止まりません。すぐになくなってしまうのでたっぷりめに作るのが吉です。
- 調理時間は短いですが冷蔵庫で冷やした方が美味しいので早めに作ってください。お急ぎの時は冷凍庫に10分ほど入れて急冷するという手もあります。
- このドレッシングは野菜全般に合います。レタス、きゅうり、ブロッコリーなどの定番野菜以外にサラダバー風に細切りまたは千切りにした人参、大根なんかを使っても美味しいですよ。
- テイストが和風なのでこのドレッシングと蕎麦の薬味に使うような材料とはたいてい好相性です。焼き海苔、わさび、刻み葱、鰹節、昆布の佃煮、たたき梅などいろいろ試してみてください。