「ちゃぶ台返し」といえば文字通りの意味はちゃぶ台をひっくり返して上に載っている晩御飯を台無しにしてしまうとんでもない行為のことです。
が、転じて物事が上手くいっている時に(理不尽な)横やりを入れて全てをイチからやり直しにしてしまう行為を指すこともあります。
敢えて『(理不尽な)』と括弧付きで書きましたが括弧を付けなくても良いくらいだいたい理不尽な行為と決まっているんですけどね。
この「ちゃぶ台返し」の第一人者といえばやはりあの人でしょうか。
星一徹「巨人の星」の主人公の父親で昭和の頑固おやじの見本のような人です。
作中、この人は夕飯時に何か気に入らないことがあるとすぐにちゃぶ台返しをやっていたそんなイメージがあります……
が、それって誤解らしい。
実はテレビアニメで星一徹がちゃぶ台をひっくり返したシーンは全話を通してたった2回だけ(いや1回でもあかんやろというツッコミは置いといて)。
原作漫画至ってはなんと1回しかひっくり返していないそうです。
ではなぜ僕らは星一徹といえば「ちゃぶ台返し」と思い込んでしまっているのか?
それはアニメのエンディングの1シーンに「ちゃぶ台返し」が入っちゃっているのが原因らしい。
視聴者たちは毎週毎週お話の最後に「ちゃぶ台返し」を見せつけられて星一徹といえば「ちゃぶ台返し」というイメージを完全に刷り込まれちゃったんですね。
似たようなことは食べ物にもあります。
たとえばチョリソーはスペイン産のソーセージですが僕ら日本人は「辛いソーセージ」というイメージを持っています。
ところが意外なことにスペインで売られているチョリソーは辛くないのです。
ではなぜ僕らはチョリソーといえば「辛いソーセージ」と思い込んでしまっているのか?
その答えは輸入経路にあります。
日本で売られているチョリソーは中南米、特にメキシコ経由で輸入されているものがほとんど。
で、メキシコで作るチョリソーは唐辛子を入れて辛くするのが通例なのです。
それを食べた僕たちは「チョリソーといえばスペインの辛いソーセージ」というイメージを完全に刷り込まれちゃったんですね。
なのでスペイン人が日本でチョリソーを食べたら「なじゃこら」とびっくりするかもしれませんよ。
とまれ日本で売られているチョリソーは辛いです。
なのでこんな感じのスープの具材にすると味がピリッと引き締まって暑気払いにはもってこいの一杯になったりするのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- チョリソー:2本
- にんにく:ひとかけ
- オリーブオイル:6g(大匙1/2)
- トマト缶(ダイスカット):1/4個
- チリパウダー:少々
[野菜パート]
- 玉ねぎ:1/8個
- 人参:1cmの輪切り
- ピーマン:半個
- セロリの茎:3cm分
[スープパート]
- コンソメの素(顆粒):5g
- 水:300g(カップ1.5)
【作り方】
- チョリソーは3mm厚の斜め切りにします。にんにくと[野菜パート]はみじん切りにします。
- 小鍋ににんにくとオリーブオイルを入れて弱火にかけます。香りが立ってきたら[野菜パート]を加えて中火にししんなりするまで炒めます。更にチョリソーを加えてさっと炒め、トマトを加えて1分煮込みます。
- 2.に[スープパート]を加えてひと煮立ちさせ蓋をして弱めの中火で10分煮込みます。火を止めてチリパウダーを振ってさっとまぜればできあがり。
【一口メモ】
- めっちゃホットでスパイシーなスープです。特に夏の暑いさかりにおススメ。暑さが吹っ飛びますよ。
- ガンボはアメリカはルイジアナの伝統的なスープです。名前の由来にもなったオクラを入れてあのネバネバでとろみを付けるのが本式。手持ちがあれば斜め切りにして工程3.の仕上げに加えてください。
- ガンボはいわゆるケイジャン料理なので聖なる三位一体と呼ばれる野菜──玉ねぎ、セロリ、ピーマン──を使うのが本式です。けど、手持ちがなければわざわざ買ってくるほどのこともないので手持ちの野菜で作っちゃいましょう。
- お好みでタバスコを数滴たらすとホットさがマシマシになって楽しいですよ。