七百数十年の昔、日本を二分する大きな合戦がありました。
貴族政治が終わりを告げ、武家政治の幕開けともなったご存知、源平合戦です。
戦場では平家が赤旗を源氏が白旗をたなびかせて入り乱れるのでさぞやカラフルな光景だったと思われます(のんきに言うなよ)。
時代が下っても二手に分かれて武芸やスポーツを競う際、この二色の旗は伝統的に用いられたようで、今でも紅白試合や紅白戦なんて言葉が使われます。
運動会も赤白帽や鉢巻が用いられますよね。
源平鍋はこの合戦の様を鍋の中に再現させた香川の郷土料理です。
赤い人参と白い大根が両者の旗に見立てられ、鳴門巻きが鳴門の渦潮の見立てになります。
けど、この鍋の凄いところはただの見立て遊びに終わらないところ。
新鮮な瀬戸の魚介がわんさか入っている海鮮料理がこの鍋の本領なのです。
関東に越してきてなかなか西の魚は手に入らないけど、気分だけでも鯛など加えて源平鍋を作ってみました。
【材料】(3~4人分)
-調理時間:20分-
- 大根:3cm
- 人参(できれば金時人参):3cm
- 鳴門巻き(なければ蒲鉾):適宜
- 魚介類(鯛、海老、貝など):たっぷりめ
- だし汁(いりこ出汁):600g(3カップ)
- 塩:4g(小匙2/3)
- 酒:15g(大匙1)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
【作り方】
- いりこを鍋に入れ弱めの中火にかけて1分乾煎りします。これに水を加えて蓋をせずにひと煮立ちさせ、火を弱めて煮立たせないようにし5分煮出したらいりこを抜きます。 ※蓋をするといりこの臭みがこもるので蓋をせずに煮出します。
- 1.をやっている間に具材を食べ易い大きさに切ります。
- 1.に全ての材料を加えて15分煮込めばできあがり。
【一口メモ】
- 魚介の贅沢な出汁が挽けた豪快な鍋です。源平の昔をしのびながら鍋をつつき一杯やるのもご一興。
- 大根と人参を源平の旗の色(紅白)に鳴門巻きを渦潮に見立てていますのでこの3つは外せない具材。それ以外はネギや茸などお好みで加えて下さい。
- 塩の分量はあくまで目安です。少なめに入れて味を見ながら加減して下さい。
- このレシピは塩ベースにしていますが白味噌ベースでも結構イケますよ。