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厨房日誌

歯止めの生命力

このブログを始める前、僕は日記的なブログを細々と書いていたのですが今読み返すと懐かしかったり、結構面白いこと書いてるじゃんて思ったりします(自分で言うなし^_^;)。

以下の記事は2018年の5月頃に書いたものなのですがあれから2年経った今、少子化はより現実味を増してここに書いたディストピアもあながち絵空ごとでないように感じます。

で、ひとつの感傷的な黙示として遺しておくことにも意義があるかなと感じたので投稿します。

日本の少子化は1980年台末ころに始まっており当時適切な手が打たれていればというタラレバなニュース記事を見かけました。

けど、バブルに浮かれていた日本人は歯牙にもかけなかったとか。

過ぎてしまった過去を後悔してもせんないことでそれを反省材料として今後どうするかを考えるのが科学の使命だと思うのですが、果たして何の措置も行われなければ日本の人口はジリ貧に減り続けるのでしょうか?

実は歴史上、人口が激減する現象は過去に何度もあったようです。

世界的な現象としては14世紀にヨーロッパの人口の3割近くを死滅させたペストの流行。

流行の中心地だったイタリア北部では全滅に近い状態だったとか。

けど500年後の今、イタリア北部に人が住んでいないかというと住んでますよね。

ペストの大流行は検疫など感染症に関する医学を発展させますが最終的に人類はペストの沈静化に成功しその後、また増えていきイタリア北部にも人が流入していったのだと思います。

その後、帝国主義に席巻された世界は二度の世界大戦でまた大量の人口を失います。

けれど、日本でもそうですが戦争が終わった後、自然発生的にベビーブームが起こり人口は戦前のそれを超えていくのです。

楽観的に考えると放って置いても人口が危機的なまでに減少すれば人は生物の本能として子供を作り始めるのかも知れません。

ただ、ペストの時代がそうであったようにそこに至るまで人口が激減していく過程ではさまざまな苦痛を伴い、今までどおりの生活が送れなくなる暗黒の時代が相応に長く続くことが予測されます。

例えばペストの流行までロンドンにはフランス語やラテン語を解する知識層が相当数いたそうですが、彼らの死によってそれらの言語を理解するものがいなくなり英語が生き残ったとか(でなければ、今のイギリスの公用語はどうなってたんでしょうね)。

穀物栽培のような手間暇かける農業は人口が足りなくてできなくなり、羊の放牧などある程度放ったらかしにしておいてもなんとかなる農業にシフトしたとか。

おそらくは今後日本でもある種の職業はなり手の不在で消滅してしまい、緊急度の高い医療や消防、防衛などに半強制的に就業させられる時代がやってくるんじゃないでしょうか?

その分、今は多様化して華やかな食文化はロボットが工場で作るようなものに取って代わり多くのレシピが歴史から姿を消すのかも知れません。

小説、芸能、ゲームなどクリエイティブなジャンルの制作者も社会的により重要度の高いIT産業にシフトさせられて娯楽が衰退するかも知れません。

向こう何十年も娯楽といえば二十世紀から脈々と遺されてきた既存のコンテンツをガムかスルメのように味がなくなるまでしゃぶるようなものになるかもしれません。

ただ、やがて長寿を極めた団塊の世代層が死去していくことで人口バランスはピラミッド構造を取り戻し、生物的危機感を背景に本能的な生殖が沸き起こり、再び増加傾向に向かって行くんじゃないかなと考えたりもするのです。

あるいはイタリア北部の事例のように外部からつまり外国から人が流入してきて人口は復活するのかもしれません。

その場合は、単一民族としての日本は二度と取り戻されることはなくニューヨークのような人種のるつぼになって街行く人々の様相も様変わりしてしまうでしょうね。

いずれにせよ巨視的に見ればそれは歴史の一ページに過ぎず100年後、1000年後振り返ればそういうこともあったなぁとしか言いようのない出来事へと変遷していくのだと思います。

「あの時、頼朝が鎌倉幕府を作らなかったら」とか「光秀が本能寺に向かわなければ」といった類のことを夢想することはあれ今さら本気で嘆く人はいないでしょう。

それはいくら地続きとは言えあまりにも時間が経過してしまっていて歴史的遠近法のかなたでそれらの出来事が一つの風景のようになってしまっているからにほかなりません。

とまれおそらく今は、少子化に伴う暗黒の時代に既に足を突っ込んでいます──と、書いた2年後の今はリアルに肌で感じています。

これからは今までの常識も既得権も基本的人権さえ無視されるなりふり構わない時代が何年も続くと思います。

けど、戦時中がそうだったように、震災を喰らった避難生活がそうだったように、そんな中ででも人は日々営々と生き続けるだろうと思うのです。

そして人が生物の端くれである限り、やがてまた再起し、復興を遂げる日も間違いなくやってくると思います。

2020/02/01 Sat.

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