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厨房日誌

プロの酔っ払い演技

昔、所属していた合唱団でミュージカル仕立ての舞台をやったことがあります(存在しないはずの孫がタイムマシンに乗って未来からやってくるというお話でした)。

団員はそれぞれ割り振られた役以外に、『合唱団の団員』という役も持っていて、「合唱の練習中」だの「休憩中」だのという場面がありました。

この休憩中というのが曲者で、素人の僕たちがやるとわざとらしいことこの上ないんですよね。

やたら、オーバーアクションになったり、思いつくことをありったけまくしたてたり。普段の休憩中ならぜったいそんなことしてないだろうということのオンパレード。


と・こ・ろ・が……。指揮者が一言「はい、十分休憩にします」と言った途端、動きが急に自然になるという(^^;

常々思うことですが、プロの俳優って凄いよなぁと感心します。

どんな役であっても本当に自然な動き、自然な表情をしますよね。

タイトルにも書きましたが、酔っ払いの演技などさせたら、夜の街で見かける酔っ払い以上に本物に見えてしまうから不思議です。

何かで読んだことがあるのですが、素人に酔っ払いの演技をさせると「酔っぱらっている」ふりになってしまうのだそうです。

例えば、「そこを酔っ払いとして歩いてみて」という指示を出すと、十人が十人、あっちにふらふら、こっちにふらふらよろけながら歩くのです。


ところが、プロの俳優に酔っ払いの演技をさせると「酔っぱらっていない」ことを主張する演技をするそうです。

道を歩かせてもよろけまい、よろけまいと体を動かします。

よろけまい、よろけまいと動いているのに体が勝手によろけてしまう。

これがプロの演技だそうで、「俺はシラフだ~」と全身で主張するのが酔っ払いの演技のコツだそうです。

普段見慣れているくせに、その本質を見誤っているものというのは意外にあるのかもしれません。

休憩然り、酔っ払い然り。

プロの役者が本物以上に本物に見えるのはその本質を掴んで演技に活かしているからという発想はなかなか目から鱗で新鮮に感じました。

2020/03/12 Thu.

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