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厨房日誌

手間ひまの是非

ネットのコラムで「時短レシピに罪悪感?」なんてのを見かけました。

俗に言う「時短レシピ」は手抜きをしているように思えて罪悪感を覚えるんですって。

裏返すと料理に手間、ひまをかけることを礼賛する風潮が世の中にあるってことだと思うのですが、それって美味しんぼに代表されるグルメ漫画などの弊害な気が僕はします。

昭和の昔、スポ根がブームになっていたことがありました。

巨人の星に代表されるアニメ作品。

柔道一直線やおれは男だ! なんかに代表されるドラマ。

とにかくスポーツに夢中になる人は素晴らしくて、どんな困難も根性があれば乗り越えられるという不思議な理論。

いや、僕が運動音痴なので運動ができる人が羨ましくて、やっかみ半分で言っているのですけどね^^;

けど、今振り返ると気持ちが悪い限りなのですが、当時は小学生でしたから歯を食いしばって頑張ることは素晴らしい。手を抜く、楽をするのは悪いことだという考え方はかなり刷り込まれました。

一種の宗教じみたブームだった気がするなぁ。

時短レシピに罪悪感という発想はその延長線上にあるように思うのですがどうでしょう。

既にいいおっさんになってしまっている僕からするとその悩みはバカバカしいのではと思ってしまうのですが。

だって、その発想はプロセスだけ見て結果を評価していないじゃないですか。

ここに2皿の料理があるとします。

1皿は1時間鍋につきっきりで作った料理。もう1皿はレンジで3分チンした料理。

食べてみて味にたいした違いがなければ、僕なら後者に軍配を上げます。

時短ばんざい。余裕ができた57分で別のことをすれば良いじゃないですか。

時短料理の結果、できた料理が不出来だったらそれは問題でしょう。

手抜きのそしりを受けても仕方がありません。

けど、十分美味しいという結果を出せるのならむしろ時短料理は礼賛されてしかるべきで、手抜きだの何だのと非難されるいわれはどこにもありません。

ネットで見かけた「時短レシピに罪悪感?」というコラムの作者さんがなんだか悩んでいるようだったので思わず援護したくなった次第。

いい加減、日本人はスポ根の呪縛から解放されても良いのじゃないかなと僕は思います。

2020/03/25 Wed.

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