ところかわれば品変わるなんていうのもおこがましいですが日本でもメジャーな洋食、中華料理の中には本場とは既に別物と評されるものが少なからずあります。
たとえばスパゲティ・カルボナーラ。
本場イタリアでは生クリームを使いません。
卵のみでとろみを付けるのが身上。
おそらく日本に輸入する時に皿単価を上げる目的もあって生クリームを使ったのではと僕は邪推しています^^;
あるいは麻婆豆腐。
四川の麻婆豆腐は餡の量がずっと少ないらしく豆腐の色艶がぐっと目を惹く盛り付けになっているとか。
何より日本ではあまり使われない花椒を使ってしびれるような辛さを持たせるのが特徴。
もちろん唐辛子による辣(ホットな辛さ)も段違い。
総じて爽やかな辛さが真骨頂なのだとか。
同様に日本ではサグ・カレーといえば「ほうれん草のカレー」を指しますが、とあるインド人シェフのブログを読むと本場インドでは二重の意味でありえないのだそうです。
サグは青菜全般を指す言葉でほうれん草を指す単語は別にあるそう。
特に北インドでサグ・カレーといえば菜の花を使ったカレーを指すので別物だというのです。
更にインドではほうれん草のカレーはベジタリアンが食べるものというのが通例なのでサグ・チキンとかサグ・ラム(子羊の肉)なんて名前が付くことはありえないのだとか。
(あ、本場のサグ・カレー(菜の花を使うカレー)はベジタリアン御用達ではないのでお肉ありだそうです。ややこしい)
それでもブログの主が日本で経営するインド料理店のメニューではほうれん草のカレーに「サグ・カレー」という名前がついているんですって。
彼曰く「だって、その名前が定着しすぎていていいちいち説明するのがめんどくさい」だそうです。
完全に本場物を凌駕しちゃってますね。
ということで(なにがだ?)、本場に近いサグ・カレーを作ってみました。
使う野菜は青梗菜。
青梗菜はアブラナ科なのでヒユ科のほうれん草よりずっと菜の花に近い野菜です。
で、青梗菜から連想して中華風の味付けにしてみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:20分-
- 鶏むね肉:半枚
- 片栗粉:適宜
- 青梗菜:1株
- 椎茸:1枚
- 玉ねぎ:1/4個
- ごま油:12g(大匙1)
- カレールウ:1/4箱
- 水:350g
[調味料パートA]
- 中華スープの素:2g
- 鶏ガラスープの素:3g
- 干し貝柱スープの素:2g
[調味料パートB]
- オイスターソース:6g(小匙1)
- 砂糖:2g
【作り方】
- 鍋に[調味料パートA]と水を入れてひと煮立ちさせます。これにカレールウを加えて中火にかけ煮溶かします。更に[調味料パートB]を加えてさっと混ぜます。
- 1.と並行して鶏胸肉はそぎ切りにして片栗粉を薄くまぶします。青梗菜は茎と葉に分けてざく切りにします。椎茸はスライスに玉ねぎは細切りにします。
- 中華鍋かフライパンにごま油を入れて強火にかけ青梗菜の茎を加えて1分半炒めます。更に青梗菜の葉、玉ねぎ椎茸を加えて青梗菜の葉がしんなりするまで炒めて1.の鍋に加えます。
- 3.の中華鍋かフライパンに鶏肉を入れて中火にかけ全面焼き色が付くまで炒めてこれも1.の鍋に入れます。そのまま弱めの中火で10分煮込めば出来上がり。
【一口メモ】
- 青梗菜の風味がカレーに溶け込んだ野菜のカレーです。色も少し緑がかっています。それでいて一口食べるとなんかカレーというよりは中華スープに近い? と感じるところが面白い。
- インスタント的ではありますが中華スープの素をベースに鶏ガラスープ、干し貝柱のスープで中華風の旨味を持つスープを作りこれにカレールウとオイスターソースで味付けしています。確かにどちらかというと中華スープ的なアプローチですね。
- 具材は自由自在、お肉も牛や豚でもOKです。野菜は冷蔵庫のありあわせでどうぞ。