「コンピュータ業界が儲けるために仕込んだんじゃないのか」
なんて飲み屋で見知らぬおじさんに絡まれたこともありましたっけ。
1990年代後半。
世間ではコンピュータの2000年問題の話題で持ちきりでした。
事情をご存じない一般企業の方がそんな風に疑うのも無理からぬことだよなぁとか思いつつ
「いやあ、そんなわけないじゃないですか」
とへらへら笑いながらおじさんの絡みを躱しましたっけ。
その昔、コンピュータのメモリやディスクはとても高額だったのでプログラムはできるだけその限られたリソースをコンパクトに使うよう設計するのが定石でした。
例えば西暦のデータを扱うなら馬鹿正直に1970年と4桁で演算するのではなく70年という2桁で演算すれば半分のリソースで済むじゃんと考えるのは無理からぬことだったのです。
「どうせ後30年くらいは上2桁は19固定だし」とか
「その頃にはこのプログラムもとっくになくなっているだろう」とか
僕らの先輩たちはわりと不届きなことを考えていたようです。
ところがどっこい20世紀もあとわずかになっても大量のプログラムが相変わらず使われておりました。
そして97より98の方が1大きいから1年後ねと計算していたロジックは西暦2000年になった途端前年は99年だけど翌年は00年と大小関係が逆転しちゃうと気付いたのが俗にいうコンピュータの2000年問題の正体です。
おかげで僕たちSEは90年代後半くらいからその大量のプログラムの修正で休みも返上状態が何年も続きました。
飲み屋で絡んできたおじさんが言うようにそれで儲かった……
なんてことは全くなくてボランティアに近い状態でお得意様を回る作業が多かったなぁ。
僕の職種はSEであってプログラマーではないので僕自身三十数年のサラリーマン生活の中で新規にプログラムを組んだことなど数本程度だったのですが他の人が組んだプログラムは2000年向け修正のために数千本くらい読み込みました。
あれは大変でした。
2000年問題の余波でもうひとつ思い出深い出来事は旅。
全国津々浦々に点在する何十年も前にお客様に納入したコンピュータの修正に飛び回りました。
鹿島、清水、伯方島、大分、今治、三沢などなどもしも2000年問題がなかったら一生行くこともなかったような街に行く機会を得たのも今となっては懐かしい思い出です。
行く先々で土地の名物を食べるのはささやかな余禄だったのですが清水名物の牛もつカレーを食べた覚えがありません。
まだGoogleなどの検索エンジンも未発達だった時代。
ランチ情報の収集が甘かったんだろうな。
で、そのリベンジというわけでもありませんが。
過日、牛もつを買ってきたので見よう見まねでその清水名物カレーを作ってみました。
忘れないようにレシピをメモしておきますね。
【材料】(2人分)
-調理時間:30分-
- 牛もつ(部位はお好みで):150g
- じゃがいも:1個
- 人参:1/4本
- 玉ねぎ:1/2個
- おろしにんにく:ひとかけ分
- サラダ油:6g(大匙1/2)
- 水:400g(カップ2)
- カレールウ:1/4箱
[下処理パート]
- 塩:6g(小匙1)
- 生姜:ひとかけ
- 葱:5cm
【作り方】
- 牛もつは食べやすい大きさに切って[下処理パート]の塩をまぶし冷蔵庫で10分置きます。これをざるに揚げて流水で塩を洗い流します。待っている間に[下処理パート]の生姜はスライスしておきます。
- 牛もつを下茹でする湯(分量外)を沸かして牛もつ、生姜、ねぎを加えアクを取りながら5分茹でます。これをざるに揚げて流水で牛もつを洗います。生姜、葱は抜きます。
- 1.~2.をやっている間にじゃがいも、人参は乱切りにし玉ねぎは細切りにします。
- 1.~2.と並行してカレーを作る鍋にサラダ油、おろしにんにくを合わせて弱火にかけます。香りが立ってきたら玉ねぎを加えてあめ色になるまで炒めます。
- 4.にじゃがいも、人参を加えて1分炒めます。更に牛もつを加えてさっと炒めます。
- 5.に水400gを加えてひと煮立ちさせカレールウを加えて10分煮こめばできあがり。お皿にご飯を盛ってカレーをよそい戴きます。
【一口メモ】
- 牛もつの下処理(臭み取りが目的です)がちょっと面倒ですが良い感じのカレーに仕上がりました。お肉のコリコリした食感も楽しいですよ。
- 牛もつカレーは静岡県清水市の伝統的な名物だそうです。元々は居酒屋が出すカレー味のもつ煮込みだったらしいのですが近頃はカレーライスを出す店もあるようです。
- お好みで市販のカレー粉、ガラムマサラ、カルダモンなどのスパイスを加えると風味が複雑になってより本格的になります。