世の中にはその料理のためだけに調整された調味料やソースがあります。
例えば「卵かけご飯用醤油」。
2002年に発売された島根県の「おたまはん」を皮切りに全国あちこちで新発売されました。
普通の醤油との違いは昆布やカツオの出汁が含まれていることと卵と親和性を持たせるために甘みを加えてあることらしいっす。
近頃は関東風、関西風なんて分類まであるらしいですね。
更に醤油だけにとどまらずブルドッグから「おうちで牛丼風たまごかけご飯」なんてソースまで出ています。
こういった商品を考案する人がいて、それが売れるということは欲しがる人がいるということで、つくづく日本人ってのは凝り性なんだなぁと思います。
この日本人独特の気質は食材だけでなく調理器具にも出ています。
洋食の世界ではナイフは基本的に牛刀とペティーナイフの2種類があれば事足ります。
ところが和包丁は野菜の飾り切り用のむき包丁、刺身を造るための刺身包丁、蛸を引くための蛸引包丁、ふぐ包丁、鮭切包丁、貝さき包丁、鱧切包丁、鰻裂包丁、蕎麦切包丁などなど、などなど。
特定の作業ごとにとんでもなく細分化されているのです。
全種類の和包丁をコートに仕込んだ料理人がバッとコートの前を開いたら圧巻でしょうね。
って、ギャグにしか見えんなw
過日、トンカツ用のお肉が1枚残っていたのでカツカレーを作ろうと考えました。
が、いざカレーを作る段階で手が止まっちゃった。
カツカレー用のカレーってどう作るんだろう?
つか、カツを載せることを前提としたカツカレー専用のカレーって存在するのか?
具材はポーク?
けど、カレーの中にも豚肉ってくどくない? かと言って他の肉や魚というのも変な感じ。
野菜は?
三丁目の夕日に出て来たみたいなじゃがいもや人参がごろごろ転がっているやつはどう考えてもうるさい……
などなど、などなど。
考えあぐねた挙句、僕が出した結論がこのレシピです。
具材は潔く玉ねぎのみ。
そしてルウにはちょっとした秘密兵器を仕込んであります。
【材料】(2人分)
-調理時間:25分-
- ご飯:適宜
- トンカツ:2枚
- 玉ねぎ:1/2個
- サラダ油:6g(大匙1/2)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- おろし生姜:ひとかけ分
[ルウパート]
- 水:320g(320ml)
- カレールウ(中辛がおススメ):1/4箱
- コンソメの素(顆粒):小匙1
[仕上げパート]
- トマトケチャップ:15g(大匙1)
- とんかつソースまたは中濃ソース:18g(大匙1)
【作り方】
- 玉ねぎは細切りにして冷凍しておきます。 ※冷凍することで玉ねぎに火が通りやすくなり手早くあめ色にできます。但し、時間がない時は細切りにしてすぐに工程2.に移ってください。
- 鍋にサラダ油、おろしにんにく、おろし生姜を入れて弱火にかけます。香りが立ってきたら玉ねぎを加えて火を少し強くし、10分かけてあめ色に炒めます。
- 2.に[ルウパート]のカレールウ以外を入れて強火にし、ひと煮立ちさせます。一旦、火を止めてカレールウを加えて5分煮込みます。トンカツが冷めていたらこの間にオーブントースターで焼いておきます。 ※揚げ物はオーブントースターで焼くとサクっとした食感が戻ってきます。電子レンジで温めるとべしゃっとなるのでご注意を。
- 3.に[仕上げパート]を加えてよく混ぜ更に5分煮込めばできあがり。ご飯をよそった皿にたっぷりかけて細切りにしたトンカツを載せて召し上がれ。
【一口メモ】
- トンカツに合う味付けをどうするか悩んでいたのですが身近にとんかつソースという強力な武器があることに気づきました。このソースは言わずと知れたとんかつ専用の調味料。長い年月をかけてとんかつとの相性を研究し続けた成果ですので使わない手はないのです。
- 具材はシンプルに玉ねぎだけにして、さらさら系のカレーに仕立てています。もったり系が良いという方は[ルウパート]の水にじゃがいも、人参を加えてミキサーで粉砕してから煮込んでください。チキンカレーで試したことがあるのですがこれはこれで美味しいですよ。
- 辛さはやや甘めの中辛がおススメです。