ホリエモンこと堀江貴文氏が
「何年間も飯炊きや下積みをさせるような寿司屋の古い修行制度は時代遅れ。寿司屋の学校を作って短期間で技術習得すれば良い」
と語ってSNSで議論を呼んだことがありました。

その話を耳にした時、僕は「半分当たっていて、半分ハズレているな」と思いました。
技能の習得はそれほどシンプルではないと思うからです。
寿司屋に限らず何らかのスキル(技能)を習得する方法は2種類あると僕は考えています。
「学習」という二字熟語がそれを端的に表していると思うのですが、ひとつは「学ぶ」こと、もうひとつは「習う」ことです。
どちらが効率的かと問われれば断然「習う」ことでしょう。

ベテランの先生に教われば、一直線に正解に至れますし、途中で迷走して無駄な時間を食うこともありません。
今風に言えば「習う」という方法はタイパの良い手法なのです。
ホリエモンが提唱したのはこの「習う」という手法でその点、彼の意見は的を射ていると思います。
ただし、「習う」という手法が通用するのは教えられる対象が一定の条件を満たしている場合に限ります。
実は「習う」というやり方には2つばかり弱点があるのです。
ひとつは教える内容が体系だっている必要があること。

一定のルールや論理的な順序に従って一つに綺麗にまとまっている必要があるのです。
もうひとつは正解がひとつしかなくて明快であること。
正解がひとつではない、極論を言えば人の数だけある──なんてことを教えるのは至難の業です。

この条件を満たしていない技能を身に着けるためには人のやっているのを見たり、自分で試行錯誤して「学ぶ」必要があります。
寿司屋の例で考えてみましょう。
寿司屋の学校に通えば寿司が握れるようになって「寿司職人」にはなれるでしょう。

けれどその人はまだ「寿司屋」にはなれません。
飲食店の現場ではアクシデントやトラブルがしばしば起きます。
酔った客が絡んでくる。
冷蔵庫が急に壊れた。
仕入れてきた魚を捌いたら思ったほど鮮度が良くなかった。
出前に出ていた従業員が交通事故を起こした……

などなど。
トラブルの種類も様々、対応の仕方も様々で体系化できるものではありません。
これらを教科書にまとめて先生に教えさせるなんてのは無理な話です。
それにね、例えば「酔った客が絡んできた」場合の対応ひとつ取っても、強面の大将なら睨みを利かせて黙らせるのが有効かもしれません。

けど、ひょろっとやせていて怖そうに見えない大将の場合はギャグにして場を収めるのが良いかもしれません。
つまり、「正解がひとつではない、極論を言えば人の数だけある」のです。
こういったことは先輩や師匠の背中を見て、あるいは自分で試行錯誤して「学ぶ」しかないのです。
ま、ホリエモンは「料理スキルよりコミュニケーション力が大事」とも言っているそうなので、「学ぶ」ことの大切さは分かった上で「教えて済むことはさっさと教えろよ」と言いたかったのでしょうね。

前置きが長くなりましたが、このレシピは調理手順の中で
「ニラを加えて30秒炒めます。」とか
「さらに白菜キムチを加えて30秒炒めます。」という記述が出てきます。
ただ、この30秒というのはあくまでも目安だと思ってください。

「ええ、そんな曖昧にじゃなく正確に"教えて"よ」と言われても困ります。
コンロの火力や鍋の状態によって時間は前後しますからこれ以上は何度か作ってみて自分の環境ではここがベストという感覚を”学んで"もらうしかありません。

SNSなどで新人が「教えてもらっていないのでできません」と発言してもめたなんていう投稿をよく見かけます。
もちろん、教えるべきことを教えていないのならそれは先輩の怠慢です。
けど、世の中には「教えようのないこと」もあるのだと知っているとスキル習得をする上でちょっとお得だと思います。

だってそれは、教えてもらうことで身につけた技能には、その先にまだ自分で学ぶことで伸ばせる余地が残されているのを知っているということですから。
【材料】(1人分)
-調理時間:9分-
- 豚肉(部位はバラがおすすめ):100g
- 白菜キムチ:70g
- ニラ:3本
- にんにく:ひとかけ
- 生姜:スライス1枚
- ごま油:4g(小さじ1)
[調味料パート]
- 濃口醤油:6g(小さじ1)
- オイスターソース:6g(小さじ1)
- 味醂:6g(小さじ1)
- 砂糖:3g(小さじ1)
【作り方】
- 豚肉、白菜キムチは1cmの小口切りにします。ニラは2cm幅の小口切りにします。にんにく、生姜はみじん切りにします。[調味料パート]は合わせてよく混ぜておきます。
- 中華鍋かフライパンにごま油、にんにく、生姜を入れて中火にかけます。香りが立ってきたらニラを加えて30秒炒めます。
- 2.に豚肉を加えて色が変わるまで炒めます。さらに白菜キムチを加えて30秒炒めます。
- 3.の鍋肌から[調味料パート]を流し入れて絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- ド定番のお惣菜ですが、飽きの来ない味だなぁと思います。特徴的なピリ辛だけでなく、にんにくやニラの風味が食欲をそそるんですよね。
- そろそろ食べ切らないといけないキムチがあるのと、豚肉が中途半端に残っていたので定番のこれにしました。ニラの手持ちがあったのでついでにツッコんでみたよ。
- 手順に書いた炒め時間は目安です。コンロの火力や材料の量が違えば変わってくるので繰り返し練習して、頃合いを学んでください。
- キムチは炒め物や煮物の食材にもなりますし、ピリ辛の調味料としても使えるので常備しておくと便利ですよ。

