洋食と和食では味付けのアプローチが真逆です。
洋食では基本の調味料は塩。
後は食材が持つ風味自体を活かして手間と時間をかけて都度ソースを作り味付けに使います。
それに対して和食は塩以外に醤油や味噌といった万能調味料があってそれを使えばごく短時間で味付けを済ませることができます。
ということは和食のほうが手抜きなのかというとそういうわけではありません。
醤油や味噌は完成するまでに膨大な手間とヒマがかかります。
職人がほどこすその手間とひまが料理人の手間を省いてくれているだけの話なんですね。
醤油や味噌という調味料の手柄は他にもあって素人が調理してもそこそこ美味しい味に作れるという考えてみればすごいことをやってのけてくれています。
これらの万能調味料のおかげで料理の裾野が個々のお家の夕飯にまで広がって来たんだなと考えると日本人の調味の根っこが垣間見える気がします。
一握りのプロにしかできないものではなく誰にでも簡単に料理が作れるにはどうすれば良いかということを突き詰めてきたんじゃないかな。
醤油と味噌はいずれも万能調味料ですが料理の守備範囲が多少違います。
醤油がほぼ全ての料理に使えるのに対して味噌は主にスープと煮物が得意分野。
けど、本当にそうか? と考えた人がいたのでしょう。
田楽のように焼き物に味噌をベースにしたタレを塗って焼き、そのおこげを含めて楽しむことが考案されました。
同じように少量の水で味噌を溶いて炒め物の調味で使うという中華風の発想の料理もありだと思うのです。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 豚もも肉:100g
- キャベツ:数枚
- こんにゃく:半丁
- にんにく:ひとかけ
- 生姜:スライス1枚
- ごま油:少々
[キャベツの下茹でパート]
- 水:適宜
- サラダ油:24g(大匙2)
[調味料パート]
- 味噌:27g(大匙1.5)
- 砂糖:6g(小匙1)
- 濃口醤油:9g(大匙1.5)
- 中華スープの素:3g
- 豆板醤:6g(小匙1)
- 水:30g(大匙2)
【作り方】
- [キャベツの下茹でパート]を小鍋に入れてひと煮立ちさせます。これにキャベツを入れて中火で2分茹でます。茹で上がったらキャベツをざく切りにします。並行してこんにゃくは5分下茹でしてアク抜きをします(アク抜き不要と書いてあるものはこの手順を割愛します)。 ※キャベツは細かく切らずに茹でてからざく切りにするのがコツです。
- 1.をやっている間に豚肉は食べ易い大きさに切ります。こんにゃくは大きめのスプーンでそぐように切ります。にんにくと生姜はみじん切りにします。
- 中華鍋かフライパンにごま油とにんにく、生姜を入れて中火にかけます。香りが立ってきたら豚肉を加えて色が変わるまで炒めます。更にこんにゃくを加えて1分炒めます。
- 3.にキャベツを加えてさっと炒め[調味料パート]を加えて味噌を水に溶かしながら煮込みます。水気がほぼなくなるまで煮詰めればできあがり。
【一口メモ】
- 見た目はどて煮風の味噌煮込み料理です。けど味付けはちょっと中華寄り。豆板醤の辛味が刺激的でもりもり食べられますよ。
- キャベツの下茹でで茹で汁にサラダ油を加えるのは中華の油通しの技法です。これをすると野菜臭さが抜けて炒めものが数段美味しくなるのです。
- 更にピリ辛がお好みの方は小口切りにした鷹の爪を工程3.の最初で加えてください。
- 味噌と砂糖の代わりに甜麺醤(中華の甘味噌)を使うとより中華風の味付けになります。使う量は大匙2くらい。たっぷりめに使って下さい。