過日、娘に「いっぺん、お料理教室に通ってみたいと思っているんだけどどう思う?」と訊いたら「行ってなにするん?」と返されました。
……。ごもっとも。
今となってはお料理教室の先生くらいには料理ができてしまうと自負しているので(あくまでできるだけ。教える方はからっきしで僕は教師に向いていないという自覚はあります)行っても邪魔になるだけだろうなぁと自分でもわかってるんですよ。
わかってるんだけど……
やっぱり一度くらいは料理を勉強したいかも。
僕は一度も誰かからきちんと料理を教わったことがありません。
飲食業のバイトをしたこともありません。
なので僕の料理の技能は全部我流。
見よう見まねの積み重ねなのです。
誰かに「きちんと」料理を教わりたいという想い──この「きちんと」という言葉には誰かに僕の料理を「それで良いよ。それで合っているよ」と言ってほしいという本音が隠れているんでしょうね。
ネットがなかった時代、料理技術の習得は母から娘にマンツーマンで教わるのが基本でした。
隣に先生がいるので何かやり方が間違っていたり段取りが悪いと指摘されその都度矯正されて料理を覚えていったものです。
高度成長期に入って生活に余裕が出た頃から1人の先生が多数の生徒に教える教室形式のお料理教室が流行りました(お料理教室自体は戦前からあったようですが)。
と、同時にお料理のレシピをまとめたお料理本もどんどん出版されるようになりました。
あの頃は新聞の生活欄に小洒落たレシピが連載されるのも定番でしたね。
母から娘に料理を教える方式の弱点は母が知っている料理(概ね昔ながらの日本の家庭料理)しか学べないことでした。
お料理教室や料理本がブームになった理由の一つは母からは教わることのできない珍しい外国の料理などを覚えて料理のレパートリーを増やせることだったんじゃないかな。
インターネットが普及して個人の開設するホームページに自慢のレシピ紹介記事が書かれるようになったのを皮切りにレシピ投稿サイトの登場。
更に文章で説明していた料理テクニックを動画を使って実演して見せる動画サイトの台頭。
そんなムーブメントを見るにつけ料理教室や料理本は一定の役割を果たし終えたのかなと思います。
とはいえネットで得られる情報は基本的に発信者から受信者への片方向。
先生と生徒がリアルタイムで言葉のキャッチボールをしながら料理を仕上げていける点ではまだまだお料理教室は魅力的ではあります。
けれどそれも遠からずAIが料理を教わる人のの手元や火加減を観察しながら
「ソコハモット深ク切ッテクダサイ」
「火加減ヲモウ少シ弱クシテクダサイ」
なんて指南してくれるようになる日も遠くない気がしていますw
夕飯にこの料理を拵えながら──こんな料理は昭和の昔なら料理本を読むかお料理教室に通わないと覚えられなかったものかもしれないなんて考えていたらいつのまにやらお料理教室の行く末まで夢想しておりました。
やっぱり──AIに席巻される前に一度はお料理教室に通ってみたいなw
【材料】(1人分)
-調理時間:30分-
- 鶏もも肉または胸肉:100g
- 里芋:中2個または小3個
- 白ネギ:白いところ15cm
- 生姜スライス:1枚
- サラダ油:12g(大匙1)
[下味パート]
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 酒:2.5g(小匙1/2)
[スープパート]
- 中華スープ:中華スープの素3g+水150g(150ml)
[調味料パート]
- オイスターソース:15g(小匙2強)
- 酒:15g(大匙1)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
【作り方】
- 鶏肉は一口大に切って[下味パート]をまぶします。里芋は皮を剥いて食べやすい大きさに切ります。白ネギは2?3cmのぶつ切りにします。生姜は千切りにします。
- 小鍋にサラダ油、白ネギ、生姜を入れて弱火にかけ白ネギに軽く焼き色が付くまで炒めます。これに鶏肉を[下味パート]ごと入れて中火にし、色が変わるまで炒めます。更に里芋を加えて1分炒めます。
- 2.に[スープパート]を加えてひと煮立ちさせアクを取ります。これに[調味料パート]を加えて弱火にし20分煮こめばできあがり。
【一口メモ】
- オイスターソースの独特な風味がしっかり利いていて如何にも中華っぽい味に仕上がりました。ちょっと濃い目の味付けにしてありますので他の副菜は味付けを控えるのがおススメです。
- 鶏肉はささみを使っても美味しく作れます。豚肉でもありですよ。あと、白ネギの手持ちがなければ玉ねぎを使ってください。
- これを作った日は1日中バタバタと走り回っていて夕飯の献立を何も考えておりませんでした。それでも冷蔵庫にある食材をキーワードにして検索をかければ即座にレシピを教えてくれるのですからグーグル先生は偉大です。