どこかの掲示板で「奥さんがマニュアル本通りの料理しか作らなくてつまらない。君も10年選手の主婦のプロなんだから何も見なくても冷蔵庫の中にあるものでパパっと料理を作れるようになれないのか」というご主人の愚痴を見かけました。
付いたコメントはご主人の期待に相反して同情票は皆無。
フルボッコに遭っていましたね。
曰く、
「プロと言うからには奥様に報酬を支払っているんですよね」
「料理本を見ずにオリジナルを混ぜるとろくなことにならないぞ」
「それでまずいのなら話は別だけど旨いのなら文句を言う意味がわかりません」
などなど、とどのつまりは「お前が作れよ」のオンパレードでした。
ま、この方の表現は下手だけど言わんとすることはわからないでもないです。
ただ、「残り物でパパっと料理する」ということを舐めすぎ。
アドリブは決して即興と同義ではないです。
積み上げてきた料理の引き出しを総動員して初めて一皿をひねり出せる高等技術なのですよ。
たとえば、豚ももスライスがあと1枚だけ残っている。
里芋が1人前くらい中途半端に残っている。
これで2人前のボリュームの料理を作りたいんだがという状況からこの料理にたどり着くように。
【材料】(2人分)
-調理時間:12分-
- 里芋:3個
- 豚ももスライス:1~2枚
- 薄力粉:適宜
- 揚げ油:適宜
- 生姜:ひとかけ
- にんにく:ひとかけ
- 刻みネギ:10cm分
- ごま油:少々
[調味料パート]
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 酒:7g(大匙1/2)
- 砂糖:3g(小匙1)
[煮汁パート]
- 水:50g(1/4カップ)
- 鶏ガラスープの素:2g
- [仕上げパート]
- 水溶き片栗粉:3g分
【作り方】
- 揚げ油を170度に温めます。
- 1.をやっている間に里芋の皮を剥き食べ易い大きさに切ります。これに薄力粉をふりかけてよくまぶします。揚げ油が温まったら投入し5分揚げます。
- 2.の揚げ工程をやっている間に豚肉は細切りにします。生姜、にんにく、ネギをみじん切りにします。水溶き片栗粉を用意します。
- フライパンにごま油と生姜、にんにくを入れ中火にかけます。香りが立ってきたら豚肉を加えて色が変わるまで炒めます。
- 4.に[調味料パート]と里芋を加えて1分ほど炒めます。これに[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせます。[仕上げパート]を加えてとろみを付ければできあがり。器に盛って刻みネギを散らします。
【一口メモ】
- ほんのり甘くて優しい味です。豆板醤等とがった調味料を使っていないので年配の方からお子さんまで幅広い層に受けるおかずだと思います。
- この料理の段取りポイントは工程の1~3。揚げ油を温めている間に里芋の皮を剥く、里芋を揚げている間に肉や野菜の下ごしらえをするという風に工程を被せて並行作業すれば手早く作れます。
- お好みで豆板醤を加えるとピリ辛の大人好みの味付けになります。酢を5g(小匙1)ほど加えるとさっぱりした風味が楽しめます。
- 里芋の下ごしらえの一法として素揚げにするというテクニックがあります。そとはカリッと中はねっとりした食感になりますのでこの料理のようなあんかけ料理によく合います。カレーの具にしても面白いですよ。