「下町のナポレオン」といえば……
麦焼酎「いいちこ」の愛称です。
ナポレオンは人名の方ではなくコニャックの等級のひとつでXOに次ぐ高級ブランデーを指します。
これに「下町の」という言葉を付けて「値段は安いけど味は特急品」といった意味合いを持たせたネーミングなわけですね。
なんか「アゲて落とす」みたいな気がしないでもないけどw
僕ら日本人はどうもこの「下町の」だとか「庶民の」みたいな言葉が大好きなんじゃないかなと思う時があります。
例えば……
「昨日寿司を食べに行ったんだけどさぁ、諭吉が4枚も飛んでっちゃったよ」
なんて自慢している人がいたら何だか知らないけどむしょうにイラっとして背後からハリセンチョップをかましたくなります。
それに対して「ご飯にめざしがあればそれで幸せ」なんてことを言っている人を見ると何だか知らないけどホッとして親近感が湧いたりする人も多いんじゃないでしょうか。
更にここまであからさまな差がなくてもなんかとても低次元なレベルで下町度合を競い合ったりする光景を目にすることもあります。
「お、お前唐揚げ弁当かよ金持ちだなぁ。俺なんかここのところいっつも海苔弁だぜ」
なんて男子校のお昼休みにしょうもない自虐自慢をしたりして。
クラスメートたちの海苔弁に対する親近感と唐揚げ弁当に対する敵愾心の圧が痛い。
思わず唐揚げ弁当の生徒は反論します。
「いやいやいや、弁当を値段だけで決めるなよ。お前の海苔弁は白身魚フライに竹輪の磯部揚げ、きんぴらごぼうまで入ってるじゃん。唐揚げ一色の俺のよりよっぽど豪華だぜ」
はい、論破……
ってホント低次元だな。
海苔弁はだいたいどこのお弁当屋さんでも一番安くて庶民派の代表選手みたいに言われますがよく見るとおかずはバラエティに富んでいて意外と豪華な気がするんですよね。
特にあの白身魚フライを入れることを思い付いた人は天才だと思います。
で、更に想像を膨らませてもしも海苔弁に入っている白身魚フライがこのレシピのようなオシャレな洋食風だったら……
もはや庶民派のお弁当とは言えないかしらんw
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- カマス:1尾
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 卵:1個
- パン粉:適宜
- 揚げ油:48g(大匙4)
- 付け合わせ野菜:ミニトマトやサラダに使えそうな葉野菜など
- ドライパセリ:少々
[ソースパート]
- バター:5g
- レモン果汁:7.5g(大匙1/2)
【作り方】
- カマスのエラに包丁の刃先を入れて頭を切り落とします。更にこれを三枚におろして骨抜きで骨を取ります。これをバットに並べて軽く塩、ブラックペッパーを振り5分休ませます。卵をよく溶いておきます。
- 皮は揚げてしまうと気にならないので特に剥く必要はありません。
- 揚げ油をフライパンに張り強火で2分温めます。待っている間にカマスを卵液に浸けバットに戻してパン粉をまぶします。
- 揚げ油が温まったらカマスを入れて片面1分半、ひっくり返して更に1分半揚げ焼きにします。油をよく切って皿に盛ります。
- 3.のフライパンの油をストッカーに戻しそのまま[ソースパート]を加えて中火にかけ軽く煮立たせます。これを小ぶりのスプーンを使って3.に回しがけます。付け合わせ野菜を添えてドライパセリを振ればできあがり。
【一口メモ】
- レモンのさっぱりした風味が食欲を押し上げてくれます。なんか白身魚フライというと「お昼ご飯」って感じなのにこれは「ランチ」って感じでちょっとお洒落。
- フライではなく揚げ焼きにしてあるのでカロリーが気になる方にもおススメの1品ですよ。
- 付け合わせ野菜には[ソースパート]をそのままかけても良いですが主菜とのコントラストを際立たせるためにサウザンアイランドドレッシングなど少し甘めのドレッシングを使うのも楽しいです。
- カマスの衣に使った卵液は余るのでコンソメスープの素で作ったスープを煮立たせて加えちゃいましょう。即席の洋風かきたまスープとして楽しめます。
- 冷めても美味しいので[ソースパート]をしっかり馴染ませてお弁当に詰めるのもありです。