インターネットが普及した今では想像しにくいかもしれませんが昔、新聞の文化欄はレシピの宝庫でした。
新しい料理を覚えようと思えば本屋さんか図書館に行ってレシピブックを買うなり借りるなりするしかなかった時代、1コーナー1レシピとはいえそれは貴重な情報源で料理を覚え始めたばかりだった僕はせっせとハサミで切り抜いてスクラップにしたものです。
しかもその情報の質はかなり高かったんですよね。
さすが大手新聞社の情報力。
相応の店でシェフを張っているプロのレシピが惜しげもなく開陳されて家庭の主婦でも簡単に作れるように噛み砕いて紹介されておりました。
玉石混交な情報が飛び交うネットのレシピサイトと比べるとそのアドバンテージは大きかったな。
新聞にハサミを入れていたのはかれこれ40年ほど前、1980年代のことですが物持ちが良い性格なので未だにノートに挟んでストックしてあったりします。
そんな僕にとっての料理黎明期の頃のレシピのストックに「ロスティ」という料理がありました。
確か神戸のドイツ料理店のシェフが紹介していた料理でじゃがいも料理2品のうちの1つでした。
茹でたじゃがいもをすりおろすという斬新な調理法。
すりおろすことでじゃがいもに餅に似た粘りが出てマッシュポテトとは別物の何かになるのです。
それをバターで焼いてパンケーキにする技法が新鮮で当時何度も作りましたっけ。
時代が下って40年後、あれから僕はたくさんの料理を覚えました。
で最近思ったのです。
ロスティが具なしである必要はないじゃん。
例えば韓国料理のチヂミみたいにいろいろな具材を混ぜ込んだロスティを作ったらどんな感じだろうと。
ということでさっそく試作してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- じゃがいも:1個
- もずく:1カップ
- 生姜スライス:1枚(または紅生姜少々)
- 卵:1個
- だしの素(昆布だし):茶匙1杯
- サラダ油:4g(小匙1)
【作り方】
- じゃがいもは皮のまま5分茹でて皮を剥きます(茹でるお湯は分量外)。これをおろし金ですりおろします。生姜は千切りにします。
- 1.とサラダ油以外の材料をボウルに合わせてよく焼きます。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ2.を流し込んで丸く整形します。蓋をして弱めの中火で5分焼けばできあがり。
- 生地は緩めなので裏返さず片面だけ焼いて上面は乾く程度に留めます。
【一口メモ】
- もずくの甘酸っぱさが際立つおやつ感覚の料理になりました。それでいてじゃがいもは腹持ちが良いのでしっかり主菜になります。
- このレシピは和風に寄せてサラダ油で焼いていますがバターで焼くと風味が変わって楽しいですよ。
- 味を付けずに食べても良いのですがお好み焼き風にソースやマヨネーズをかけて青のりや鰹節を散らしても美味しいと思います。
- もずくがメインの料理なので具材を加えるなら海鮮で統一しましょう。シーフードミックスのみじん切りなどがお手軽です。