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牛肉の料理(和食)

春菊と牛タンのおろしポン酢和え

「子供の頃はどんな遊びをしていた?」

と訊かれると

「僕は家遊びの好きな子供だった」

と答えると思います。

もちろん外で走り回ることもありましたが家で本を読んだり積み木やブロックで何かを作るのが好きな今風に言えばインドア派な幼児でした。

特にレゴブロックで何かを作るのがお気に入りで誕生日やクリスマスに新しいパーツを買ってもらったりすると1日中でも組み立てに熱中していました。

最初のうちは箱の裏側に印刷されたお手本を見ながらその通りに作ってみるのですがだんだんそれに飽き足らずオリジナルが作りたくなる──というのはこの手の趣味を持つ人のあるあるではないでしょうか。

ご多分に漏れず、僕も“世界に一つしかない何か”を作ろうと挑戦しました。

しかし、お手本ほど格好良いものができず、悔しい思いをしたのを覚えています。

「『学ぶ』っていうのは、『真似ぶ』っていうじゃん?」

話がちょっと飛びますが『どうして巧くオリジナルの物が作れないのか』の答えを2014年にオンエアされたアニメ「SHIROBAKO」のこのセリフに教えられた気がします。

「自分なりの強み」「自分なりの価値」を手に入れたくて焦っていた新人アニメーターに先輩がしてくれたアドバイスはどんどんベテランアニメーターの真似をしろというものでした。

「真似して……いいんですか?」

と訊ねる新人に先輩は

「それ以外にどうやって巧くなるんだっつぅの。新人は、先輩の描いた動きのパターンを掴んで真似する。自分なりの表現っていうのはそれからだよ」

とあっけらかんと答えたのでした。

創作というと、“ゼロから何かを生み出すもの”というイメージがありますがそれが如何に無茶なことであるか。

そして、巧い人の技術、先人の知恵を学ぶのが如何に大切であるかと言うことを僕はこのエピソードから学びました。

レゴブロックの遊びが巧くできなかった僕に一番足りていなかったのは真似ること。

そしてそれを自分のものにすること──すなわち自分の引き出しを増やすことだったのだと思い至りました。

日々の夕飯を作っていてもこの教訓は身に染みて感じます。

料理を始めたばかりの頃は冷蔵庫にある材料を見ても何を作って良いか思いつけずに途方に暮れることが再々ありました。

あるいは既存のレシピに、自分の思いつきでアレンジを加えて失敗したこともしばしば。

けど二十年以上の経験を経てそれこそ何千というレシピを試してみた今の僕は一味も二味も違います。

格安の牛タンを買ってきたのだけど塩、レモンにも飽きてきた何か他の料理が作れない?

──そう自問すればいつかどこかで作った料理の記憶を総動員して「こんな料理はどないでっしゃろう」という答えが返せるようになりました。

「お肉だけでは栄養が偏るのであしらいに軽く茹でた春菊を添えてさっぱり風味のおろしポン酢でまとめてみました」

なんて、あの頃の僕が聞いたら「お前誰だよ」とか言ったりして。

結局、新しいアイデアの創出というのは自分の中に蓄積された経験や知識あってのことなのかもしれないと思ったとある夕飯時でした。

【材料】(1人分) 

調理時間:12分-

  • 牛タン(タン先の焼き肉用):80~100g
  • 塩、ブラックペッパー:少々
  • サラダ油:6g(大匙1/2)
  • 春菊:2株
  • 大根:1cmの輪切り
  • ポン酢醤油:15g(大匙1)
  • 粗挽きブラックペッパー:少々

【作り方】

  1. 大根はかつら剥きしてすりおろしポン酢醤油と合わせておきます。
  2. 春菊を茹でる湯(分量外)を沸かします。待っている間に春菊をざく切りにして葉と茎に分けます。湯が沸いたら茎を加えて3分茹で引き揚げます。残った湯に葉を浸けてしゃぶしゃぶの要領でさっと火を通します。茹でた春菊は冷水に浸けて急冷し、水を絞っておきます。 ※茹でた葉菜は急冷することで鮮やかな緑色を損ないません。この技法を色止めと呼びます。
  3. 牛タンを食べやすい大きさに切って塩、ブラックペッパーをまぶします。フライパンにサラダ油を入れて強火にかけ煙が立つまで加熱します。これに牛タンを入れ片面30秒、ひっくり返して30秒焼いてすぐ皿に引き揚げます。肉はすぐにはいじらず肉汁が落ち着くまで1分ほど休ませます。 ※長く焼きすぎるとお肉が固くなるので、表面がこんがりしたらすぐ裏返すくらいで丁度良いです。
  4. 春菊、牛タンを皿に盛りつけおろしポン酢をこんもりとトッピングします。粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。 ※ポン酢は肉を落ち着かせてから載せましょう。その方が肉汁が落ち着いてしっとり感が増します。

【一口メモ】

  • ポン酢のさっぱり風味が良い感じ。塩とレモンに飽きていたので目先が変わって楽しかったです。
  • ネットのレシピ等を参考にせず久しぶりにゼロから組み立てたオリジナルレシピです。しっとり系を目指して肉を低温調理し仕上げに焼くという工程も考えたのですが焼き肉用のお肉を使ったので香ばしさを重視して強火で焼く手順を選択しました。
  • お肉を焼くコツは煙が立つほどの強火で素早く焼き上げること。あと、焼きあがったら1分ほど休ませること。そうすると肉汁が落ち着いてしっとり感が増します。
  • 春菊が手持ちに遭ったので使いましたがあしらいは青物の葉野菜ならなんでもOKです。もやしや玉ねぎを軽く茹でて、ポン酢と和えるのもおすすめです。
  • 仕上げに粗挽きブラックペッパーを振っていますが他にも辛味系のスパイスを使うと風味が変わって楽しいです。中華なら花椒、エスニックならクミン、洋食ならホットペッパーなどがおススメかな。

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