僕の先輩にひどい人がおりまして、曰く。
「え、六甲山の向こうは日本海があるんちゃうん?」だの。
「滋賀県の県庁所在地は竹生島やろ」なんてことを平気で申します。
いやいや、竹生島は琵琶湖の真ん中にある島ですやんと言いますと。
「いやだって滋賀県って琵琶湖しかないんやろ」って、そんなわけあるかい。
二人寄るとそんなしょうもない漫才を繰り広げるのが常でした。
もちろん滋賀県には湖以外に陸地があります(改めて言うなよ)。
そして美味しいものの宝庫だったりするのです。
近江米に近江牛。
近江八幡の赤こんにゃく。
日野菜(ひのなと読みます。
蕪の一種ですね)に甲賀のお茶。
そして湖魚。
大きな湖で穫れる魚は海の幸とはまた違った美味しさなのです。
毎年、桜が満開になる季節になると季節の風物詩とも言うべき湖魚がお魚屋さんに並びます。
その名も氷魚。
「ひお」または「ひうお」と読むのですが鮎の稚魚です。
見た目はしらすに似ていて調理法もだいたいしらすと同じです。
かき揚げや卵とじにして食べても美味しいのですが、やっぱり一番メジャーなのは釜揚げかな。
学生たちが新学年を迎える頃、よく行く魚屋さんに寄ったら氷魚が売られていました。
この時期を逃すと来年まで食べられない──なんて思うとついつい衝動買い。
定番の釜揚げにしてみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 氷魚:100g
- 塩水:水300mlに対して塩3g程度
- お湯:たっぷりめ(600mlくらい)
【作り方】
- お湯を沸かします。待っている間に塩水を作って氷魚を入れざっと洗ってザルに揚げます。
- 大きめのスプーンで氷魚を掬って沸騰した湯に入れ浮いてきたらかす揚げなどで掬ってザルに揚げ粗熱を取ればできあがり。粗熱が取れたらキッチンペーパーで水を切り器に盛ります。
- 一度にたくさん入れると湯の温度が下がって臭みが残ってしまいますので氷魚を投入してもすぐにぐつぐついう程度ずつ茹でるのがコツです。
【一口メモ】
- ほろりとした苦味をはらんだ味わい。ポン酢におろし生姜や三杯酢などさっぱりした調味料で頂くのがオススメです。
- 大葉の手持ちがあれば器に敷いたり千切りにして上に飾りましょう。
- しらす丼と同じくご飯にたっぷり載せて卵を落として生醤油などで戴いても美味しいですよ。