映像作品の制作で実写とアニメには大きな違いがあります。
実写ではキャメラを回せば目の前の景色も人物も撮れます。
マイクをONにすれば耳に入る音が録音されます。
けど、アニメでは描かない限り画面は白いまま。
音源を作って貼り付けない限り無音のままなのです。
当たり前のことなのですが案外気づかないポイントなのかもしれません。
そういえば、実写出身の監督がとあるシーンについてスタッフから3つほどプランを提案されて「見比べてどの案にするか決めるからとりあえず3つとも作って来て」と軽く言ってキレられたとか。
とりあえず3つとも作るなんてのはアニメの世界ではスケジュール的にも労力的にもあり得ない机上の空論なのです。
そんな一発勝負の世界だからこそアニメの世界には実写ではありえない作画崩壊という現象がしばしば起きるのだとか。
作画崩壊といっても登場人物の顔がなんか変になっているといったものばかりではありません。
現実にはあり得ない絵面になっているといった類のものもあります。
一つのシーンで同じ登場人物を2人描いちゃったなんてのはいっそすがすがしい気もしますが(そうか?)、もっとわかりにくい、けどよく考えたらあり得ないシーンというのもあるみたい。
とある日常アニメの1シーンで焼いた鮭の切り身が出てくるのですが──皮が一周しているのが物議を醸しだしました。
当たり前ですが三枚におろした魚は骨の上下いずれかの半身ですから皮が付いているのは半分だけじゃないとおかしいのです。
いや、そこはそっと見なかったふりをしてやれよという気がしないでもないのですがアニメ好きの間では有名なエピソードになっちゃいました。
爾来、鮭が出てくるたびにアニメーターは神経をピリピリ尖らせているとかなんとか。
そういった瑕疵をネットで揶揄されるからかアニメに描かれる料理は「無難な構図」が多い気がします。
例えば「魚の煮付け」というお題なら平べったいいかにも魚って形の魚を使って大根などを添える構図がほとんどじゃないでしょうか。
間違ってもこの料理のように四角張った変わった形の魚を描こうなんて発想は特に指定がなければ出てこない気がします。
【材料】(1人分)
-調理時間:25分-
- ほうぼう:1尾
- 大根:2cm
- 生姜(スライス):3枚
[煮汁パート]
- 水:150g(カップ3/4)
- 濃口醤油:36g(大匙2)
- 酒:30g(大匙2)
- 味醂:36g(大匙2)
- 砂糖:9g(大匙1)
【作り方】
- 小鍋に湯(分量外)を沸かします。待っている間に大根をかつら剥きにして7mm厚のいちょう切りにします。湯が沸いたら大根を加えて中火で5分下茹でします。茹で上がったらざるに揚げておきます。
- 1.をやっている間にほうぼうの鱗を包丁の刃先でこすって落とし腹に包丁目を入れてワタを抜きます。 ※ほうぼうのうろこは細かくてうろこ取りで摂るのは難しいので包丁の刃先かきれいな金属製のたわしでこすって取りましょう。
- ほうぼうが入るサイズのフライパンに[煮汁パート]と生姜を入れてひと煮立ちさせます。ほうぼうと大根を加えてアルミホイルをかぶせて落し蓋にし、弱めの中火で15分煮ればできあがり。 ※皿に盛りつける際、菜箸を使うと真ん中でほうぼうがぽっきり折れるなんて悲劇が起きかねないのでかす揚げかフライ返しで掬いましょう。
【一口メモ】
- むっちりと弾力のある肉質にコクのある旨味。白身魚の煮付けに慣れているとちょっと目を見張るような新鮮な味わいが楽しめます。
- 付け合わせは大根が定番ですがじゃがいもを使っても美味しいですよ。何より腹持ちが良いです。
- 三つ葉の手持ちがあれば仕上げに載せてください。彩りと清涼な香りが加わって料理のグレードをぐっと引き上げてくれます。