世紀の大発明と呼ばれるものの中にはエジソンの電球のように最初からそれを作ろうとして紆余曲折の果てに完成させたものもあります。
けど、全然違うものを作ろうとしていてたまたま別のものができちゃった例も少なからずあるのです。
ドンペリニヨンという坊さんが泡の立たないワインを作りたくて試行錯誤していたらむちゃくちゃ泡の立つワインができちゃった。
本人は不本意だったでしょうけどその「泡立つワイン」が大人気を博したというのがスパークリングワインの起源です。
「もっとカリカリ感を楽しみたいからじゃがいもをめっちゃ薄く切って」と再三注文を出す客にキレたシェフがじゃがいもを超薄切りにして揚げて出したらめっちゃ喜ばれた──これがポテトチップスの起源です。
「うつ病や神経衰弱に効果があります」と売り出したお薬が清涼飲料水として大うけしたのがコカ・コーラの始まりだったりします。
どれも、製作者からすればそんなはずじゃなかったという結果ばかりで「なんでこうなった」と言いたくなったことでしょう。
これらの逸話に共通するのは『固定観念からの脱却』だと思います。
泡立つワインは不人気。
フライドポテトは厚みがあるもの。
これはお薬──そんな固定観念から離れたことで見たこともない新しい料理や飲み物が生まれたわけです。
週末買い物に行くと塩鮭がお手頃なお値段だったので購入。
グリルで普通に焼いて旅館の朝ごはんよろしくそのまま戴きますしようかなとその時は思っていたのです。
ところがふと魔が差して「この鮭を具材にして何かおかずが作れないかしらん」と思ってしまったのです。
で、できあがったのがこの一皿。
誰も元は塩鮭だったとは思いますまい。
【材料】(1人分)
-調理時間:14分-
- 塩鮭:1切れ
- 薄力粉:適宜
- 小松菜:半束
- 人参:3cm
- にんにく:ひとかけ
- オリーブオイルA:6g(大匙1/2)
- オリーブオイルB:6g(大匙1/2)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- ホワイトペッパー:少々
【作り方】
- 塩鮭は一口大に切って薄力粉を薄くまぶします。小松菜は茎と葉に分けてざく切りにします。人参は3mm厚の短冊切りにして電子レンジで軽くチンします。にんにくはスライスします。
- フライパンにオリーブオイルAを入れて中火にかけ塩鮭を加えて全面に焼き色が付くまで焼きます。これを一旦皿に取ります。
- 2.のフライパンにオリーブオイルBとにんにくを入れて弱火にかけます。香りが立ってきたら小松菜の茎と人参を加えて中火で3分炒めます。1分半経過したところで小松菜の葉も加えて炒めます。
- 3.の鍋肌から醤油を流しいれてさっと炒めます。これに塩鮭を加えてさっと混ぜ、ホワイトペッパーを振ればできあがり。
【一口メモ】
- 醤油オンリーの味付けですがにんにくが利いてめちゃ旨いです。しかもしっかり野菜も摂れるすぐれもの。これはヒットでした。
- 塩鮭はしっかり味が付いていますので野菜を醤油で炒めた後から加えるのが吉です。
- 似た発想でとんかつ用のお肉を賽の目に切って野菜と一緒に炒め合わせてもボリューム満点のおかずを作ることができますよ。