案外、誤解されている人が多い気がするのですが鰻の旬は冬です。
脂の乗った極上の鰻を堪能できるのは木枯らしが吹く季節。
夏の鰻は発育途上でイマイチなんですね。
江戸の町の鰻屋が夏場になるとあんまり鰻が売れなくて(当時も良いお値段のする高級魚でした)平賀源内先生に相談したところ……
「土用の丑の日に鰻を食べて精をつけようというキャンペーンを張れば良いんじゃね」というアイデアを発案してもらいました。
加えて先生の直筆で「土用の鰻」という書を書いてもらったので店にそれを貼り出したところ「平賀先生がおっしゃるなら間違いあるまい」と客足がどっと伸びたとか。
なんか大学教授が健康食品に太鼓判を押した途端、商品が飛ぶように売れる現象とあんまり変わらない気がしますね。
とはいえ、鰻が高いことには変わりなし。
そうそう庶民の手が出る料理ではありませんでした。
なので、せめてその肝を串焼きにして楽しんだ向きもあったようです。
とある週末、よく行く魚屋で鰻の肝が売られているのを発見。
実は食べたことがなかったので早速買って帰って焼き物にしてみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 鰻の肝:100g
- サラダ油:少々
- 粉山椒:適宜
[下ごしらえパート]
- 酒:15g(大匙1)
[タレパート]
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 味醂:6g(小匙1)
- 酒:5g(小匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
【作り方】
- 鰻の肝に[下ごしらえパート]をふりかけて10分置きます。キッチンばさみで鰻の肝を食べやすい大きさに切ります。
- フライパンにサラダ油と1.を入れて中火にかけ表面の色が変わるまで炒めます。[タレパート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒りつければ出来上がり。お好みで粉山椒を振って戴きます。
【一口メモ】
- ほんのり苦味がありますが気になるほどではありません。コリコリした食感が楽しくて格好のつまみになりますよ。
- 串焼きは面倒くさそうという方でもこのやり方なら手軽に楽しめるんじゃないでしょうか。
- これは焼き物ですので下ごしらえを簡略化していますがお吸い物、いわゆる肝吸いにする場合は浮き袋と苦玉(緑色の部分)、血合いは丁寧に取り除いてから酒を振って臭み抜きをしてください。(うっかり苦玉を潰して黄色い液がかかった場合はよく水洗いしましょう)
- 肝吸いの吸い地(椀物の汁の部分)は鰹出汁に塩で味付けをして少量の醤油を垂らして香り付けすればOK。椀妻(脇役的な具材)は三つ葉がオススメです。