今、僕らが普通に口にしている食品の中にはその起源が縄文時代まで遡るような歴史あるものも少なくありません。
胡麻もその一つ。
我々のご先祖は米の味を知るより前に胡麻を食べていたようです。
では胡麻はどこからやってきたかというとアフリカのスーダン東部という説が有力らしくナイル川流域では5000年前から栽培されていたという記録があるそうです。
ただ食べていたというだけでなく「栽培」していたというのがなんともすごいですね。
いや、それよりも物を運搬する乗り物が全くない時代に人力でアフリカから日本まで胡麻が伝わっていったという方がもっとすごいかも。
いったい何百年いや何千年かかったのかしらん。
けど、当時のアフリカの人達も縄文人たちもまさかずっと先の未来で胡麻がこんなに多様な料理に開花して食卓を賑わしているとは想像しなかったでしょう。
炒り胡麻、すり胡麻、ねり胡麻、胡麻油など僕らのご先祖が開拓してきた加工食品は枚挙にいとまがありません。
胡麻豆腐、胡麻鯖(鯖の刺身の胡麻和え)、おひたしにみりん干し。
胡麻油で揚げる江戸前の天ぷらの風味はまた格別です。
そして胡麻は単体でなくこの料理のように発酵食品の味噌と合わせると風味が複雑になって食卓を更に華やかにしてくれるのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 豚バラスライス:100~150g
- 茄子:1本
- ごま油:6g(大匙1/2)
- 白ごま:適宜
[調味料パート]
- 味噌:9g(大匙1/2)
- 酒:10g(小匙2)
- すり胡麻:小匙1
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- ホワイトペッパー:少々
【作り方】
- 茄子はがくを取って乱切りにし10分水(分量外)に晒してざるに揚げ水気を切ります。豚肉は食べ易い大きさに切ります。
- フライパンにごま油と豚肉を入れて中火にかけ肉の色が変わるまで炒めます。これに茄子を加えて2分ほど炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。器に持って白ごまを和えればできあがり。
【一口メモ】
- ごま油、すり胡麻、白ごまの三段攻撃。これに味噌の風味が加わってなんとも香り高いお惣菜に仕上がります。日本人に生まれてよかったとしみじみ思っちゃった。
- このレシピの段取りポイントは茄子を水に晒し終えるまでに工程2.の豚肉を炒めるところまで済ませて待ち受けておくこと。待ち受けている間にもう1品煮物などの仕込み(あとは煮上がるのを待つだけの状態にすること)を済ませれば約15分でおかず2品が揃います。
- 手持ちがあれば[調味料パート]にゆず果汁や柚子の皮のみじん切りを加えると清涼感が演出できます。焼海苔を刻んで混ぜ込むとまた風味が変わって楽しいですよ。
- これも手持ちがあれば大葉の千切りをトッピングしてください。見た目にも涼やかな皿になります。