合コンの定番ゲームに「山手線ゲーム」というのがあります。
決められたお題にそぐう答えを次々に答えていって答えられなかったら負けというもの。
例えば「山手線の駅名」というお題なら東京、有楽町、新橋、浜松町、田町、品川……なんて答えを返します。
答えられたとしても例えばその答えが「武蔵小杉」みたいに山手線じゃない路線の駅名だったり既に出た答えと被っていたら負けになります。
それ以外に回答のテンポを乱すと失格というルールがあります。
これがけっこうキツイ。
「大崎」パンパン(手拍子)
「五反田」パンパン(手拍子)
「目黒」パンパン(手拍子)……
というリズムに合わせて答えるのがお約束なのですがせっかく答えを用意していても直前でその答えを他の人に言われちゃったらワチャワチャとパニックってしまって「はい失格」となったりします。
このゲームで生き残るためには複数の答え、それも他の人が思い付きそうもない答えを常に用意しておく必要があるんですよね。
料理ジャンルの中にはこの山手線ゲームができそう的なものがあります。
丼、鍋料理、串揚げ、天ぷら、寿司などネタは自由自在な料理たち。
けどいざ「丼物の名前」なんてお題で山手線ゲームが始まったら──なんて想像するとちょっとドキドキします。
勝利のカギは「誰も思い付かない丼物」の抽斗を僕がいくつ持っているかにかかっています。
勝てるかなぁ??(笑)
「肉巻き」と言われる料理ジャンルも山手線ゲームのネタにできそうなジャンルです。
肉巻きとはネタをスライスしたお肉で巻いて焼いたり揚げたりする料理でネタは各種野菜に魚、餅、変化球的には厚揚なんてのもありかな。
お題は「肉巻きのネタ」。
そんな山手線ゲームを挑まれた時、高野豆腐なんて隠し玉を持っていれば誰も思いつけない強いカードになる気がするな。
なぁんて、晩酌にこの料理をつまみながらやくたいもないことを考えおりました。
【材料】(1人分)
-調理時間:18分-
- 豚バラスライス:3枚
- 高野豆腐:1枚
- ごま油:4g(小匙1)
- 粉山椒:適宜
[戻し汁パート]
- 水:50g
- コンソメスープの素(顆粒):4g
- ブラックペッパー:少々
- クミン:少々
[調味料パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
- 味醂:12g(小匙2)
- 酒:5g(小匙1)
【作り方】
- 高野豆腐を[戻し汁パート]に浸して戻しこれを6等分します。豚バラスライスは横に二等分します。高野豆腐を軽く絞って豚バラで巻きます。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけます。これに1.の肉巻き高野豆腐を巻き終わりを下にして並べて中火で1分半焼きます。肉巻きを返しながら四方ともまんべんなく焼いて一旦これを皿に取ります。
- 2.のフライパンの油をキッチンペーパーでふき取ります。[調味料パート]を加えて中火にかけひと煮立ちさせて火を止めます。
- 3.のフライパンに再度肉巻きを加えて弱火にかけ[調味料パート]を絡めながら水気がほぼなくなるまで煮詰めればできあがり。
【一口メモ】
- 肉のカリッとした食感の奥に高野豆腐のふかふかの食感が隠れている2段構えが楽しいです。風味はまず甘辛い照り焼きの味が口中に広がって高野豆腐をかじると後からスパイシーなコンソメスープの味が広がるというサプライズが待っています。
- この料理のトリッキーなポイントは肉巻きのネタに高野豆腐を使っているところ。高野豆腐はスープを吸って保持するという特性を持っています。照り焼きとは異なるテイストのスープを使えば一粒で二度美味しいいたずらを仕掛けることができますよ。
- このレシピの[戻し汁パート]はスープとしてではなく高野豆腐に味を付ける調味料として機能します。なので水は最小限で。使う調味料ははっきりと味が分かる程度に濃い目に使うのがポイントです。
- このレシピでは高野豆腐の戻し汁をコンソメスープでやってみましたが例えばカレースープやトムヤムスープを使うと更に強烈な意外性を演出することもできます。いろいろ試してみてください。