おでんに何を付ける?
と訊かれたら「カラシ」というのが全国区の圧倒的多数な答えでしょう。
けどね、「おでんに付ける」ものってけっこう地方色があってその地方に行くと別の常識があったりするんですよ。
たとえば……
青森では生姜味噌。
静岡ならダシ粉に青のり(黒おでんが有名ですがこれを付けるらしい)岐阜や愛知は味噌。(そしてなぜか香川もこれ)
兵庫、特に姫路の当たりは生姜醤油。
そして……九州北部、福岡、佐賀、長崎は柚子胡椒がメジャーなのです。
おでんに限らず九州の人達は何にでも柚子胡椒を入れたり付けたりするらしい。
たとえば味噌汁や豚汁。
ざる蕎麦の薬味。
そうめんの薬味など。
要はわさびやおろし生姜の代わりに使うのですね。
炊き込みご飯にパスタ、マヨネーズ(柚子胡椒マヨ)、ドレッシングなど洋食でもお構いなしなのです。
世の中にはなんにでもマヨネーズを付けたがるマヨラーと呼ばれる人たちがいますがその柚子胡椒版といったところでしょうか。
ちなみに柚子胡椒は大分が発祥と言われる調味料でその歴史は案外浅く、初めて作られたのは戦後のことだろうと言われています。
それがじわじわと広まって今では九州だけでなく全国区の地名度を持つ調味料となりました。
更にちなみに読み方は「ゆずごしょう」と「こ」が濁るのが正解。
ここで言う胡椒はペッパーの方ではなく九州の方言で唐辛子を指す言葉です。
実際、柚子胡椒は柚子の果皮、唐辛子(特に青唐辛子)をすりつぶして塩を添加して作ります。
ごくありふれたこんなお惣菜でも九州の人なら柚子胡椒風味にしちゃうかもしれませんね。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 豚こま:150g
- じゃがいも:1個
- セロリの茎:15cm
- ごま油:適宜
[下味パート]
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 酒:5g(小匙1)
[調味料パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
- 柚子胡椒:小匙1/2
- 片栗粉:小匙1/2
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切り[下味パート]に5分漬け込みます。じゃがいもは皮を剥いて縦半分に切り更に5mm厚の半月に切って5分水(分量外)に浸けます。セロリは5mmの輪切りにします。
- フライパンに胡麻油と豚肉を入れて中火にかけ色が変わるまで炒めます。これにじゃがいもとセロリを加えて1分炒めます。
- 2.に豚肉とじゃがいもの柚子胡椒炒めを加えて蓋をし、3分蒸し焼きにします。蓋を取って水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- ピリリと辛い柚子胡椒の風味が料理の味を引き締めてくれます。ごく平凡な和惣菜に清涼剤のようなアクセントを加えてくれる柚子胡椒ってすごいな。
- このレシピはひとつのヒントでいつも作っている煮物ならなんでも柚子胡椒を加えるだけでちょっと目先の変わったお料理に変身させることができますよ。
- 影の功労者たる脇役はセロリ。あの独特の風味が柚子胡椒にはよく合うのです。