世の中には生では食べないことが前提の食べ物があります。
例えばお肉全般。
以前は生レバーなどをウリにしているお店もありましたが食中毒が問題になって今では食品衛生法で禁じられています。
あるいは卵。
生で卵を食べられるのは日本独自の食文化でそれは養鶏農家さんによる衛生管理の賜物なのですが海外では生卵を食べるというのは論外らしい。
それ以外にも多くの野菜や根菜は火を使った調理を経て戴くのが一般的です。
まあ、生のサツマイモやじゃがいもを出されてもちょっと……
だいぶ抵抗がありますよね。
逆に生で食べられる物ももちろんあって、例えばキャベツなどは炒めたり、煮たりして食べますが生のまま切ってサラダにしても食べられます。
更に生で食べることが前提になっている食べ物もあります。
例えば刺身。
あれを焼き魚や煮魚にして出されたらがっかりしますよね。
高知名物のかつおのたたきなんてのはありますが、あれは江戸時代にかつおの生食を禁じられた際の対抗策。
見た目は焼いているように見せかけて実は中身は生の刺身という方便です。
あるいは納豆。
味噌汁の実にして煮て食べることもできますが一般的にはそのままご飯にかけて戴くものと考えられています。
そして野菜類の中には生のままサラダのスタイルで食べられるものが多くあります。
けど、根菜はどうでしょう。
じゃがいもにしろ、さつまいもにしろ、蓮根、ごぼうなどなど生で食べろと言われても食べられたものではありません。
そんな中で数少ない生で食べられる根菜が山芋です。
そのまま短冊に切ってわさび醤油で戴いても良し。
すりおろしてご飯にかけても美味しいです。
そういった食べ方がメジャーなせいか僕らは山芋に火を通すという発想が少し希薄になっているのかもしれません。
けれど山芋は油で揚げて天ぷらにしても良し、煮ても良し、この料理みたいに炒め物にしても美味しくいただける稀有な食べ物だったりするのですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- 山芋:4cm
- ししとう:数本
- 豆板醤:3g(小匙1/2)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- サラダ油:4g(小匙1)
[調味料パート]
- 酒:10g(小匙2)
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 鶏ガラスープの素:小匙1/2
- 砂糖:ひとつまみ
【作り方】
- ししとうは小口切りにします。山芋は皮を剥いて縦方向に5mm角の短冊切りにします。
- フライパンにサラダ油、豆板醤、おろしにんにくを入れてよく混ぜます。これを弱火にかけて炒めます。香りが立ってきたら1.を加えて中火にし、1分炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて和えながら水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- 山芋のシャクシャクした食感が楽しいピリ辛の小鉢料理です。主菜が肉でも魚でもよく合いますので知っていると便利ですよ。
- 辛口が好きな方はししとうの中でもピリッと辛いやつを使ってください。逆に苦手な方はあまとうを使うかピーマンで代用すると良い感じです。
- 手持ちがあればコチュジャンを2gほど加えると味が複雑になります。手持ちがなければ仕上げに七味唐辛子を振るのもありですよ。