昨年、部門の宴会にてこんな話題で盛り上がりました。
「誰もがLINEを使っている日本ってすごい!」
いや、それだけ聞いても何がすごいのかピンと来ないと思うのですが、何が凄いって誰もがLINEを使えるということは誰もが
「字が読めて」、「文章が作れる」
ということなのです。
世界中を見渡せばまだまだ字が読める人の比率──識字率が低い国はたくさんある中で日本の識字率は99%。
とんでもなく高い水準なのです。
例えばこのレシピの主役「茄子」ですが、Wikipediaを引くとこう書かれています。
日本には7世紀から8世紀ごろに中国から伝わり、奈良時代から食されていたといわれ、東大寺正倉院の古文書で、「天平勝宝二年(750年)茄子進上」とあるのが日本最古の記録である。
つまり1373年前に字が書ける誰かが「茄子を献上したよ」と書いた記録が今でも残っているので僕らはそんな頃から茄子って食べられていたんだと知ることができるのです。
なぜなら僕らは字が読めるから。
これが凄いことだと言わずしてなんと言えば良いのでしょう。
文章が読める。
文章が作れるというのはあらゆる分野にとって福音ですが料理の世界ももちろん例外ではありません。
1997年に先駆者のCOOCPADが設立されて以来、あまたのレシピ投稿サイトが乱立しました。
ここ数年はYoutubeなどを活用した動画でより分かりやすいレシピコンテンツもあまた作られています。
これらのコンテンツは僕らの食生活にとって大いに有用ですが、本当に効力を発揮するのは数百年、数千年先のことじゃないかなと僕は夢想します。
もう誰もそんな調理法を記憶している人はおらず、訊きたくてもその創始者ははるか昔に鬼籍に入っている──だとしても、文章が読めさえすれば……
言葉が分かりさえすればはるか未来の家庭の食卓にその料理を供することができる。
これこそがレシピの役割であり、使命なんだと思います。
ということで今日もまた一品、茄子の一皿の作り方を残します。
願わくば千年後の誰かの舌を楽しませてくれますように。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- 茄子:1本
- ごま油:8g(小匙2)
[煮汁パート]
- 水:100g(カップ1/2)
- 濃口?油:6g(小匙1)
- 酒:5g(小匙1)
- 味醂:6g(小匙1)
- 砂糖:2g(小匙2/3)
- 酢:5g(小匙1)
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 茄子はヘタを取り、斜めに3mm間隔で包丁目を入れます。これを横半分に切って更に六つ割りにします。これを塩水(分量外、水200gに対して塩6g)に5分浸してアクを抜きます。
- 小鍋にごま油と茄子(皮目を下にして)並べ置き、中火にかけて3分焼きます。
- 2.の火を一旦止めて茄子をひっくり返し[煮汁パート]を注ぎます。再度、中火にかけて蓋をし6分煮ればできあがり。
【一口メモ】
- 程よく酢の酸味が利いていてさっぱりした風味が楽しめます。夏の暑い盛りには特におススメのご馳走ですよ。
- タッパに入れて冷蔵庫で保存すれば4日ほどは持ちますので常備菜にすればもう1品欲しい時にとっても助かります。
- 熱いままで戴いても良いのですが冷蔵庫でよく冷やして糸切りにした大葉などをトッピングすれば冷菜としても楽しめます。見た目も涼やかで暑さが吹き飛ぶ1品ですよ。