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魚料理(洋食)

鯨ジャーキー

「日本人は英語が話せない」

なんてことを言われて久しいですが、長年、問題視されつつもいっこうに改善されない原因のひとつは、「話せなくても困らない」からじゃないかと僕は考えています。

日本には(日本語を解さない)外国人がほとんどいなくて、海外に出ていく日本人の数も未だに微々たるもの。

日本語さえ不自由なく使えれば生きていく上で困ることはないので、英会話の必要性を感じない人が多いからじゃないかなぁと想像しているわけです。

逆にいうと、英会話がないとめっちゃ困る状況に数日間でも放り込んでやれば、勝手にしゃべれるようになるはず──

なんて、小さい子供をプールに放り込んだら勝手に泳ぐだろう的な、スポ根漫画じみた発想も持っていたりします。

その実例をいくつか紹介しましょう。

僕の職場の後輩が新婚旅行でハワイに行った時の話。

お店で煙草を買いたかったのだけど、店員さんの前に立っても英語が出てこない(cigaretteが出てこなくても、実はtobacco(たばこ)で通じるんですけどね)。

困った彼は人差し指と中指を2本立てて口元に持っていき、その指をすうっと前に動かしたところ、相手が理解してくれて煙草が買えたそうです。

……。

れれ、この例では英語をしゃべってないや。

忘れてください。

気を取り直して、僕の母の実例を紹介します。

ずいぶん前の話ですが、彼女は妹と二人で、アラスカでオーロラを見物するクルージングツアーに出かけたことがあります。

「日本語のできるスタッフが乗船しているので安心ですよ」

申し込んだ旅行社のスタッフはそう言っていたのですが、いざ乗船してみると、誰一人日本語の通じるスタッフがいなかったという。

ボディーランゲージや筆談も交えて、コンシェルジュ的な人に事情を説明したのですが、"No,Ican'tspeakJapaneseeither."と言われるばかり。

日本のツアー会社に連絡が取れたとしても、船はすでに出港してしまっていますから、なんの役にも立たないという状況が見えてきました。

つまり、英語しかしゃべれない人たちの中で、数日間を過ごす以外に選択肢がないことが確定したわけです。

その割には、帰国後に土産話を聞かせてくれた彼女は、実に楽しげだったんですよね。

「なぜ、日本人はもっと怒らないのか。こういう時はネイティブの日本語で構わないから、自分たちの窮状を訴えるべきだ」

とスタッフに叱咤激励(?)されたり、母たちの立場に同情して、船に数十本しか積んでいないシャンパンをサービスしてくれたり。

「僕たちの船に乗ってもらったからには、意地にかけても楽しんで帰ってもらわねば」

という熱意が伝わってきたそうです。

彼女の最終学歴は高卒。

英語を習ったのは、そのツアーの数十年前──

のはずなのですが、なぜかちゃんとコミュニケーションできてるじゃん!

人はそれしか選択肢がないとなれば、案外肝が据わるものなのかもしれない──なんて感心しました。

そんな彼女が、海外旅行初心者の頃によく行ったのはハワイ。

そしてハワイのお土産は決まって、ド定番の『天狗印のビーフジャーキー』でした。

あのジャーキーの醤油風味が舌に沁みついているからでしょうか。

未だにジャーキーを口にしたり、作ったりすると、たどたどしい英語ながら旅を楽しんでいる彼女を思い浮かべてしまいます。

って、しんみり書いてしまいましたが、彼女は80歳を過ぎて未だに健勝。

最近は社交ダンスに熱を入れている女傑です。

【材料】(1人分) 

調理時間:3日くらい-

  • 鯨肉赤身(生食用):100g
  • (あれば)ローリエ:1枚
  • 桜チップ:大さじ3

[ソミュール液パート]

  • 水:50g(カップ1/4)
  • 赤ワインまたはウィスキー:15g(大さじ1)
  • 三温糖:2g(小さじ2/3)
  • 塩:2.5g
  • 濃口醤油:3g(小さじ1/2)
  • おろしにんにく:ひとかけ分
  • ブラックペッパー:少々
  • 味の素:少々

【作り方】

  1. [ソミュール液パート]を小鍋に合わせてひと煮立ちさせ、火を止めて常温に戻します。鯨肉は厚めのそぎ切りにします。
  2. ジップロックに[ソミュール液パート]、鯨肉、ローリエを合わせて空気を抜き、冷蔵庫で24時間漬け込みます。
  3. 2.から鯨肉を取り出し、水を張ったボウルに入れて10分間放置し、塩抜きします。
  4. 鯨肉を取り出してキッチンペーパーできっちり水分を拭き取ります。深皿の上にキッチンペーパーを敷いたざるを置き、その上に鯨肉が重ならないように並べます。これを冷蔵庫に入れて24時間乾燥させます。
  5. 燻製鍋の底にアルミホイルを敷き、その上に桜チップをまんべんなく敷き詰めます。中網に鯨肉を重ならないように並べて蓋をします。これを弱めの中火で15分燻して火を止め、そのまま蓋を取らずに一晩放置すればできあがり。

【一口メモ】

  • いろいろ手間ひまはかかりますが、それだけの値打ちはある仕上がり。ビーフジャーキーに負けない旨さです。完全な干し肉と違って歯ごたえが柔らかいところもまた良き。
  • 燻製鍋がなくても中華鍋で代用できます。ホームセンターで鍋の径より3?4cm小さい網と、しっかり重みのある蓋を買ってくれば、手製の燻製鍋になりますよ。
  • 鯨肉は生食用が近所のスーパーで時々特売しているので、その際に購入しました。代わりに牛赤身や鶏のささみを使っても美味しく作れます。

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