同じ麺料理でもうどんや蕎麦を使った料理は丼物に似た構成素で成り立っているなぁと思います。
出汁を利かせたつゆを張って茹でた麺を入れる。
そして好みのトッピングを載せて完成というのが基本形ですよね。
つまり、つゆ+麺+トッピングという構成の料理です。
それに対してパスタ料理は基本的につゆはなく、麺は皿盛り。
これに具材を含むソースをかけるか和えるかして食べるスタイル。
つまり、麺+ソースという構成なわけです。
構成要素の違いはそれが培われたイタリアと日本の食文化の違に根付くところが大きいのでしょう。
──とういのが太平洋戦争前までの常識でした。
ところが戦後の日本で洋食の文化が一気に浸透していく中で両方の麺料理の常識が混ざり合っていった気がするのです。
イマドキは皿盛りのうどんや蕎麦にソースがかかっていても斬新! というほどのインパクトはありませんし、つゆを張ったスープパスタもありふれたメニューです。
立ち食いソバ屋のパスタ版であるロメスパ(路面スパゲティ屋の略)では定番のスパゲティメニューだけでなく焼きそば風のパスタ料理や和風パスタなんかも当たり前のようにあります。
つゆは張っていないけどこのパスタ料理のように和風だしをしっかり利かせたパスタ料理も珍しいものではなくなりましたね。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- スパゲティ:100~120g
- 鶏ささみ:1本
- キャベツ:1枚
- しめじ:10本くらい
- 鶏ガラスープの素:小匙1/2
- 昆布出汁の素(なければ昆布茶):茶さじ1杯
- おろしにんにく:ひとかけ分
- ごま油:6g(大匙1/2)
[ゆで汁パート]
- 水:600g(カップ3)
- 塩:7g
【作り方】
- [ゆで汁パート]を鍋に入れて強火にかけて沸騰させパスタを加えてパッケージに記載の時間-1分茹でます。
- 1.をやっている間にささみは筋を取って小さめの小口切りにします。キャベツも小さめのざく切りにします。しめじは小房に分けます。
- フライパンにごま油とニンニクを入れて弱火にかけます。香りが立ってきたら2.を加えて鶏肉の色が変わりキャベツがしんなりするまで3分ほど炒めて火を止めます。
- パスタの湯で時間がラスト1分になったらゆで汁をお玉一杯、昆布出汁の素、鶏ガラスープの素を3.のフライパンに加えて強火で煮詰めます。
- 茹で上がったパスタをざるに揚げて湯切りをし、4.のフライパンに加えて炒めながらトングでよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- 見た目は普通のパスタ料理なのですがごま油とにんにく、鶏ガラスープの素の風味が立っていて味はしっかり中華です。
- 何より風味のポイントは出汁。昆布の出汁がよく利いているのでなんか和風の麺を食べているような不思議な気分になりますよ。
- 手持ちがあれば昆布出汁の素の代わりに塩昆布を使っても美味しいです。その場合は塩気が強くなるので鶏ガラスープの素は抜いてください。
- おろしにんにくの代わりに、にんにくスライスと小口切りにした鷹の爪を加えてペペロンチーノ風にしても楽しいですよ。