美味しんぼのエピソードに海水浴に行って海の家でかき氷を食べる話がありました。

主人公の山岡さんが注文したのは「スイ」。
スイとはただの砂糖水をかけたかき氷のことです。
「田舎くさ」と女子社員たちが揶揄いますが「化学合成したシロップはまずいんだ」と主人公が反論する流れはいかにも美味しんぼらしいですね。
確かにかき氷をスイで食べれば氷本来の美味しさを楽しめます。
世の中には「この味付けが好き」という料理があります。
鰻の蒲焼きなどは好例で多くの人はあのタレの味が好きなんじゃないかなと僕は思っています。

鰻本来の味を楽しみたければ白焼きにしてわさび醤油で食べるのがおススメ。
「あ、鰻ってこんな味の魚なんだ」と改めて知ることができます。
もっと暴論を言えばあの蒲焼のタレさえあれば魚はイワシでも秋刀魚でもなんでもありな気もするんですよね(笑)。
それとは真逆に素材の良し悪しで料理の出来が決まるものもあります。
例えば「浅利の潮汁」。

潮汁は浅利と葱を煮た汁物で味付けはシンプルに塩と酒のみ。
なので味は浅利と葱の目利き次第で決まります。
加えて良い塩と良い酒を使えばわりと誰でも美味しく作れます。
逆にそれらのどれか一つでも素材が悪ければどう頑張っても美味しくできない料理でもあります。
近頃、つけ麺を出すラーメン屋さんをよく見かけるようになりました。

これも麺という素材の良さを楽しみたいというムーブメントのひとつかなと思っています。
「どういうこと? つけ麺ってラーメンの麺とスープを別々にしたというだけの料理でしょ」というなかれ。
ラーメンがスープをメインで楽しむ料理であるのに対してつけ麺は麺自体を楽しむ料理なのです。
つけ麺の麺は冷水で〆るので通常のラーメンよりコシが強くツルツルシコシコな麺ののど越しを楽しむことができます。

逆に言うと麺自体の良し悪しがよりはっきりわかる料理なのです。
とはいえつけ麺にもデメリットがあります。
それは食べ進めると浸け汁がぬるくなること。
麺自体が冷たい状態で供されるのでこのスタイルである限り致し方ないのですがなんか残念な感じ。
で、ふと思ったのです。
「もしかして浸け汁が熱いからぬるくなるのでは? だったら浸け汁もキンキンに冷やしてしまえ!」

ということでさっそく「冷やしつけ麺」を試作してみました。
って、4束128円の棒ラーメンを使ったら麺の良し悪しどころじゃない気もするのですがw
【材料】(2~3人分)
-調理時間:12分(昆布出汁を挽いて冷やす時間は含めていません)-
- 中華麺:1玉または棒ラーメン1束
- 豚肉スライス(部位はあり合わせで):30g
- 卵:1個
- 野菜類:胡瓜、トマトなどサラダに向くもの
- 刻み海苔:適宜
[つゆパート]
- ぬるま湯:150g(カップ3/4)
- 出汁昆布:10g
- 蕎麦の本返し:大匙1またはめんつゆ大匙1
【作り方】
- 炊飯器に[つゆパート]のぬるま湯と出汁昆布を入れて保温モードにし1時間置きます。これを器に移して昆布を抜き[つゆパート]の残りを加えます。粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかり冷やします。 ※水ではなくぬるま湯を使う理由は本モードの70度に早く温められるからです。ヨーグルトメーカーをお持ちでしたら[つゆパート]のぬるま湯と出汁昆布を入れて60度に設定して1時間保温してください。
- 中華麺を規定時間茹でます。これをざるに揚げて流水で〆ます。更に氷水に投入してしっかり冷やします。
- 2.と並行してゆで卵を作ります(半熟くらいがおススメ)。豚肉を茹でる湯(分量外100mlくらいあればOK)を沸かして豚肉をしゃぶしゃぶの要領で一枚ずつくぐらせて火を通し、ざるに並べて冷まします。野菜類は食べやすいように切ります。
- 2.をざるに揚げてしっかり水切りをし皿に盛ります。3.と刻み海苔を盛り付けます。1.を添えればできあがり。
【一口メモ】
- ざる蕎麦のように麺自体を味わいたくて浸け汁はラーメン的な味を排してうんとシンプルにしました。できれば中華麺は良いもの(人気のあるラーメン屋さんのテイクアウトがベスト)を使ってください。
- 出汁はいわゆる昆布水をベースにしています。昆布は沸騰した湯ではなく60度のお湯で1時間くらい時間をかけると一番旨味成分が挽きだせます。炊飯器の保温モードは通常70度前後に設定されていますのでこの機能を使うのがお手軽です。但し、ちょっと高めの温度になってしまうのでヨーグルトメーカーをお持ちでしたらそちらをお使いください。
- 昆布は良いお値段がしますが100均ショップで売られているおしゃぶり昆布でもけっこう良い出汁が挽けます。お値段はもちろん100円(税別)ですのでおススメですよ。
- 具材はお好みのものをどうぞ。概ね冷やし中華に使うような具材が良く合います。

