とある歯医者さんが知人にこぼしていたそうです。
「どんな美人に出逢っても口を開けた時の歯並びを想像してげんなりしてしまうんだ」

それはなんとも……。お気の毒(笑)
特定の職業に長く従事していると職業病とも言えるクセが身に沁みついてしまうものなのかもしれません。
デパート勤務の人が電車で隣の人に肩をぶつけてしまった時に「申し訳ございません」と言って深々とおじきをしてドン引きされたとか。

ファミレスでバイトをしている学生がコンビニに入った時に「いらっしゃいませ」と声をかけられて思わず「いらっしゃいませ」と返してしまったとか──いかにもな職業病ですね。
かくいう僕も長年SEをやってきて身に沁みついているクセがいくつかあります。
例えば「24」のようなサスペンスアクションを観ている時に発動するクセ。
つぎつぎと降りかかってくるピンチ、迫りくるタイムリミット、すぐに報告に来いと急き立てる上司、そんな光景を見せられてしまったら──
「上司には3分後に折り返すと言ってすぐ電話を切れ」
「すぐに爆弾処理班をショッピングモールに向かわせろ」
「お前は指示を出しながらショッピングモールの裏口に移動してテロリストが飛び出して来たらそれを確保しろ」

──なんて、脳内で主人公に指示を出しているんですよね。
そう、画面の向こうで繰り広げられているのと似た光景を僕はリアルに何度も見てしまっているので、ついマジでトラブル対応してしまうのです。
この手の映画やドラマを見ているとつい客席を離れて画面の中に入って行ってしまうので普通の人よりずっと疲れてしまうという"職業病的クセ"を僕は持っているのです。
けど、こういった"クセ"は悪い事ばかりではなく例えば僕は「自分をアップデートすることに躊躇しない」という良いクセも身についております。

なにせ、Windowsがこの世に生まれる以前からSEを始めて、AWSやAzureなどのパブリッククラウドの時代まで走り抜けて来た身ですので、
「この技術さえ習得していれば喰いっぱぐれない」
なんて都合の良いものがIT業界にあるはずがないということを痛感しているのです。
今までも、そしてこれからも自分をアップデートしないとどうにも落ち着かないのです。

そして──SEを引退して"仕事"から"プライベートな日常"にシフトした今でも同じこと。
「生成AIというやつが流行っているらしい、どんなものかいっぺん使ってみよう」
「カラオケの録音機能を使ったけど歌唱音量が小さい。本体のどこかに無線感度の調整装置があるんじゃないか。取説をネットで探してみるか」
「動画配信をやりたいけど今は、YoutubeからTikTokにシフトしているとも聞くな。絵コンテを切る前にとりあえずアカウントを作ってどんな動画が配信されているか観てみよう」
などなど、日々新しいことが気になって、知りたくなって、やってみたくなるのです。
この“自分をアップデートしたがるクセ”は、これからますます変化の速くなる時代を生きていく上できっと身を助けてくれると思っています。

過日、ランチに酸辣湯麺(スーラータンメン)が食べたくなって以前書いたレシピを読み返しました。
が、手順が複雑過ぎてやる気が失せた。
……、……なら、アップデートすればいいだけの話。
ということで、さっそくシンプルなレシピに書き直して試作してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:14分-
- 袋入りラーメン(醤油味):1袋
- 豚肉(部位はあり合わせで):20g
- 椎茸:1本またはエリンギ半本
- ごま油:4g(小さじ1)
- ラー油:お好みで数滴
[スープパート]
- 水:ラーメンに記載された量の半量
- (ラーメンに添付の)粉末スープ:1/2袋
- 酢:15g(大さじ1)
- 豆板醤:6g(小さじ1)
- 水溶き片栗粉:片栗粉4g(小さじ1強)を水で溶いたもの
【作り方】
- 椎茸は石づきを落として笠、軸ともに薄くスライスします。小鍋に[スープパート]の水と粉末スープを合わせて椎茸を加えて強火で1分半温めます。蓋を取り、火をごく弱火にして10分温めます。これに酢と豆板醤を加えてひと煮立ちさせ水溶き片栗粉でとろみを付ければスープのできあがり。
- 1.と並行して麺を茹でる湯(分量外)を沸かしてパッケージに記載された時間に沿って麺を茹でます。
- 豚肉は食べやすい大きさに切ります。フライパンにごま油を入れて中火にかけ、これに豚肉を加えて肉の色が変わるまで炒めます。
- 2.の麺をざるに上げて湯切りし、丼に移します。これに煮立たせた1.を加えて、3.をトッピングします。仕上げにお好みでラー油を数滴落とせばできあがり。
【一口メモ】
- 酸味と辛さの波状攻撃が心地よいさっぱり風味の麺料理です。ラーメンスープの旨みに椎茸出汁を重ね掛けしているのでインスタントとは思えない複雑な旨味を楽しめますよ。
- ずいぶん前に一度レシピをまとめていました。そのレシピのを見て作ろうとしたのですが、複雑すぎて挫折。なんでこんなレシピ書いたんだよ! > 自分。ということで、改めて、シンプルなレシピを書き直して仕切り直しました。
- 一番時間がかかる手順は工程1.のダシを挽いて、スープを作る部分です。まずはこの手順から始めてダシを挽き始めてから残りの手順にかかってください。3つ口のコンロを使う場合はスープを奥にして手前の口で麺茹でと肉を炒めます。二口コンロを使う場合は先に肉を炒めてから麺茹での鍋とチェンジすると段取りが良いです。1.の手順は約13分かかるのでこれが終わるまでに残りの手順を済ませれば盛り付け含めて調理時間14分で仕上げることができます。
- 酢は穀物酢を使うとダイレクトで強めの酸味が楽しめます。米酢や黒酢を使うと上品な味わい、果実酢を使えばフルーティーな風味仕上がるのでいろいろ試してみてください。

