日本の大衆食堂で出される献立を組み立てるのはフレンチのコース料理より難しい──そう感じるときがあります。
たとえば定食。
白いごはん、味噌汁、メインのおかず1品に香の物というのが一般的なスタイルです。
お店によってはこれに小鉢料理が1、2品付きます。
で、何が難しいかというとどの順番で食べてもらえるかはお客の気分次第ということ。
おかずとごはんを交互に食べてもらえるとは限らずおかずばっかり食べて白いご飯が残っちゃうケースや早々に味噌汁を飲まれてしまうことだってあるかもしれません。
食べる順番によって口の中の味は変わっていきますから変な順番で食べられるとやたら塩辛くなったりやたら白ごはんの味が続くことだってありうるわけです。
けど、どんな順番で食べても美味しいと感じてもらわなければならない──それが定食屋に与えられた課題なんじゃないかと大仰に考えることがあります。
そこへ行くとフレンチのコース料理は前菜を食べ終わったらスープを出すよ。
スープがなくなったらメインの魚料理を出すよ。
といった具合に食べる順番を料理人が決めることができるので口の中の味の状態を計算してコントロールすることができるのです。
ま、そういうルールなのですからどうこう言うものでもないのですがなんか定食に比べて楽ちんだなと思っちゃいます。
更に難易度が高いのはワンプレート料理──丼物はむずかしい。
上に載る具材は味の濃いものが多いですからそれを支えるご飯にはひと工夫ほしくなります。
アニメの話になりますが脂っこいステーキ丼でご飯をねり梅を加えたさっぱり梅ご飯にするアイデアを観たことがありますがあれなどはナイスアイデアだなぁと感心しました。
間違ってもガーリックライスにステーキなんかに載せた日にはどちらも味が強すぎてご飯とおかずが喧嘩しちゃうと思うんですよね。
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ま、ガーリックライスもこんな風に単品でいただけば満足感の高い1品になると思うのですが。
【材料】(1人分)
-調理時間:8分-
- ご飯:1膳分
- 豚バラスライス(または焼肉用):100g
- エリンギ:半本
- にんにく:ひとかけ
- サラダ油:8g(小匙2)
- 刻みネギ:少々
[調味料パート]
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 塩:2g(小匙1/3)
- ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 豚バラ肉は食べ易い大きさに切ります。エリンギは細切りにします。にんにくは厚めにスライスします。
- フライパンにサラダ油とにんにくを入れて弱めの中火にかけます。にんにくがきつね色になったら菜箸でにんにくをつまんで小皿に取り出します。 ※余熱でにんにくは焦げていきますので心持ち早めに取り出すのが吉です。
- 2.のフライパンに豚肉とエリンギを加えて中火にかけ肉に焼き色がつくまで炒めます。
- 3.にご飯と[調味料パート]を加えて強火で手早く和えるように炒めます。これをお茶碗か丼によそって2.のにんにくをトッピングし刻みネギを散らせばできあがり。 ※ご飯はフライパンにこびりつきやすいので強火で一気に混ぜてください。
【一口メモ】
- 醤油と焦がしにんにくの香りがめっちゃ食欲をそそります。味はシンプルな塩味でいくらでも食べられる気がしてしまいます。
- サラダ油をバターに替えると風味が変わってまた楽しいですよ。
- 彩り的には少し茶色に寄ってしまったのでいんげんなどを一緒に炒めて緑色のアクセントを加えると盛り付けが華やかになります。