日課のウォーキングの道すがら、ふと妙なことが頭に浮かびました。
『子供だまし』って言葉があるけど、あれはどっちの意味だろう──
- 子供しか騙せないずさんな演出・仕事
- 子供でも騙せないずさんな演出・仕事
なんの脈絡もなく脳裏をよぎった疑問ですが、一度考え出すとどうにも気になって仕方がない。
家に帰って早速辞書を引きました。
正解は1.「子供しか騙せない」です。
けど、言葉の意味がそうだとすれば、世間の大人はずいぶんと子供を舐めてかかっている気がしてしまいます。
ふたりの娘の成長を見守ってきたひとりの父親として申しますが、子供というのは大人が考えているよりずっと多くのものが見えているし、いろんなことを考えているものです。
ちょっと雑な仕事でも「子供ならだませるだろう」──なんて考えていたら大間違い。
子供はいともたやすく見抜いてしまうものです。
だから、「2.子供でも騙せない」が正解だったら良かったのにね……
なんて思いました。
とはいえ、そんな子供でも気を緩める瞬間があります。
それは、美味しそうなものを目にした時。
本能を理性で押さえ込むなんて芸当はまだまだ未熟ですから、睡眠欲や食欲には、大人よりずっとストレートに反応してしまうのです。
そして、食の経験値が少ない彼らの嗜好は、大人に比べて多様化しておらず、笑えるほどワンパターンだったりします。
この性質を応用すれば、「とりあえずこれ出しときゃ子供は黙って食う」なんて献立を考えるのも案外簡単だったりします。
そんな“家庭の救世主”とも言える献立や味付けは、世代・地域・家庭の教育方針などにより多少の差はありますが、広範な支持を集めているのではないでしょうか。
思いつくものを挙げると──
カレー味、ケチャップ味、照り焼き味、ミートソース系、チーズ味、唐揚げ、ハンバーグ、バター醤油味……
といったところでしょうか。
え?
ご主人の好物ばかりですって?それは……
ご主人が今でも純真な少年の心を持ち続けているからだと……
思っておきましょう(笑)
ポイントは、「味」だけでなく「姿・音・香り」・香りの立つ調理法(焼く・揚げる)・見た目にわかりやすい「ごちそう感」・“甘さ”“とろみ”“カリカリ感”といった食感のインパクトこれらが要点になります。
さらに応用編として、これら「子供だまらせ」な料理を使えば、苦手な野菜を食べさせることも可能になります。
さしずめ、今日紹介するカレー炒飯も、子供が黙って食べる一品だと思います。
こっそり、いろんな野菜をみじん切りにして混ぜ込んじゃってくださいな。
余談ですが、甘いものや分かりやすいごちそうが大好きだったふたりの娘たちも、もう二十代半ば。
近頃は「辛いつまみとビール」があれば、とりあえず黙って晩酌を嗜んでおります。
月日が経つのは早いものですね。
【材料】(1人前)
-調理時間:6分-
- ご飯:1膳分
- 卵:1個
- サラダ油:12g(大さじ1)
- ツナ缶:1/2缶(残りは別の料理に使いましょう)
- 刻み葱:大さじ1 または玉ねぎ1/4個のみじん切り
- カレー粉:小さじ1
- 塩:2g(小さじ1/3)
【作り方】
- ボウルに卵を割り入れてよく溶きます。これにご飯、カレー粉、塩を加えてよく混ぜます。
- 中華鍋かフライパンにサラダ油を入れて強火にかけ、煙が立つまで加熱します。これに1.を加えて、パラパラになるまで炒めます。
- 2.にツナと刻み葱を加え、ざっくり混ぜながら炒めればできあがり。
【一口メモ】
- 約束されたカレー味。香りをかいだだけで「これは旨いやつだ」と確信できます。
- カレーはあくまで“香り付け”。味の決め手は塩です。少なめに加えて、味を見ながら調整してください。
- ツナの代わりに鶏ミンチや鶏肉(ささみ、胸肉がおすすめ)でも美味しく仕上がります。変わり種では、カニカマをほぐして使うのもアリですよ。
- 冷蔵庫の残り野菜を少量ずつみじん切りにして加えると、栄養価もアップします。